1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555192
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Section | 試験 |
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高田 雅介 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20107551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古曵 重美 長岡技術科学大学, 技術開発センター, 助教授 (00261248)
濱上 寿一 東京都立大学, 工学部, 助手 (30285100)
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Keywords | 水素ガスセンサー / 室温作動型 / 非接触型 / 光透過率 / 光反射率 / Pbセンサー / 二層構造薄膜 / 単層構造薄膜 |
Research Abstract |
室温作動型光検知式水素ガスセンターは安全性・信頼性の観点から極めて有望視されている。昨年度までの本基盤研究により、パラジウム/色変化媒体(酸化タングステン等)二層構造薄膜およびパラジウム単層構造薄膜において室温での十分な水素ガス検知感度が得られている。今年度は、応答・回復速度の点でより優れているパラジウム単層構造薄膜に着目し、その作動メカニズムの解明を目指した。この作動原理すなわち光学特性変化の要因を明らかにするには、パラジウム薄膜の水素化に伴う光学定数(屈折率および消光係数)の変化と水素吸蔵時の急激な結晶成長による表面形状の変化を分割して考察する必要があった。そこで、パラジウム薄膜とガラス基板の界面にバッファー層として水素化物を形成しないタングステン等の金属膜を挿入することにより表面形状変化の抑制を試みた。その結果、水素中においてパラジウム薄膜表面からの全反射光は減少したのに対して拡散反射光の変化はみられず、表面形状を安定化させることに成功した。これにより、その作動原理として光学定数の変化のみを考えることが可能となった。 一方、膜厚が約100nm以上のパラジウム薄膜を使用したセンサーは水素ガス検知特性において段階的な回復曲線を示した。現在のところその詳細は明らかとなっておらず、応答・回復時における作動メカニズムを考察する上で水素の拡散状態を調査する必要性が出てきた。パラジウム薄膜中での水素の拡散に関して水素化物を生成する高水素濃度までを含めて報告された例は少ないことから、この現象について考察することは学術的にも価値がある。
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