1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555192
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高田 雅介 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20107551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 祐二 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (60293255)
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Keywords | 水素ガスセンサー / 室温作動型 / 触媒作用 / Pdセンサー / Pd / Yセンサー / Pt坦持 / 二層構造薄膜 / 単離構造薄膜 |
Research Abstract |
これまでの本基盤研究により、パラジウム単層構造薄膜において速い応答・回復特性が確認され、パラジウム/色変化媒体(酸化タングステン等)二層構造薄膜において高い水素検出感度が得られている。本年度は、高速応答と高感度の両立を目指して二層構造薄膜の色変化媒体にイットリウム等の希土類元素を選択し、新しいセンサーとしての可能性を探ることを目的とした。パラジウム/イットリウム二層構造薄膜は水素検出時に約17倍もの光透過率の増加を示し、パラジウム単層構造薄膜(約6倍の透過率増加)よりも非常に高い感度を有していた。さらに、このセンサーは水素濃度0.1%の被検ガスに対しても約8倍の透過率増加を示し、パラジウム単層構造のセンサーが苦手としていた低濃度水素の検出にも威力を発揮できる。また、このセンサーにおけるイットリウム薄膜が0.1%という低濃度水素の検出後もイットリウム二水素化物の状態を保持しており、水素貯蔵能力のみならず集積能力を有していることが明らかとなった。この水素化物生成のために2回目以降の水素検知において感度が一定となることから、一度水素にさらすというエージング処理を施すことにより優れた繰り返し特性が得られる。 一方、パラジウム薄膜上への白金の坦持が回復速度の向上に有効であることを初めて見い出した。この白金の効果は検出方式を問わずパラジウムを使用するすべての水素ガスセンサーに対して有効であるため、そのインパクトは極めて大きい。パラジウム単層構造のセンサーにおける回復速度が回復時の酸素濃度と共に増加するという結果から、現段階では白金坦持の効果の起源としてパラジウムより高い白金の酸素解離能力を考えている。
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