1996 Fiscal Year Annual Research Report
多層コーティング・コンポジットセラミック微粒子の製造技術の開発
Project/Area Number |
07555203
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
篠崎 和夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00196388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 修 東京工業大学, 工学部, 教務職員 (20108195)
水谷 惟恭 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016558)
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Keywords | コーティング / セラミック微粒子 / 噴霧熱分解 |
Research Abstract |
本研究はセラミックス微粒子の表面に異なる相をコーティングした多層コーティングコンポジット微粒子の作成をめざした研究であり,平成8年度の主要な研究項目は超音波噴霧熱分解法による多層コーティング微粒子の作成技術の確立である.モデル材料にPdを用い,各粒子表面に微量のCaやSiO_2を析出させたコーティング微粒子を作成した. Pd原料としてPdCl_2,Pd(NH_3)_4Cl_2,Pd(NO_3)_2を検討し,Pd(NO_3)_2を用い合成条件を最適化すると合成中に加水分解による沈殿が生成することで中実粒子が実現でき,粒径制御も可能となることを見いだした.Ca(NO_3)_2を添加したPd(NO_3)_2溶液を出発原料に用いてCaで修飾したPd粒子を合成した.Caの添加量が55ppm程度の場合は合成した粒子はほとんど単結晶であるが,添加量が1wt%を越えると第二相(CaPd_3O_4)が生成した多結晶Pd粒子となる.Caの添加量が55ppmから1wt%の範囲では,Caが粒子表面および粒界に選択的に析出した状態が実現できた.このため粒子の酸化挙動を観察すると純粋なPdの場合と異なり表面に緩密な酸化層が生成することによって,Pd粒子の酸化率は最大酸化率の30%程度に抑制される. 一方,噴霧熱分解用のPd(NO_3)_2溶液にコロイダルシルカ超微粒子を分散することにより噴霧液滴の乾燥結晶化過程においてSiO_2が粒子表面に偏析することを明らかにし,これを利用してSiO_2をコーティングした微粒子を合成した.合成機構を検討した結果,700℃以下では生成したPdOが添加したシリカと均一な混合状態を示すが,結晶化過程でPdOが分解してPd超微粒子とSiO_2超微粒子が相互に分散した構造になり,さらにPd超微粒子が合体して粒子の内部に集まるとともに,シリカ超微粒子が複合粒子の表面に押し出されることによりシリカ被覆Pd粒子が形成される.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Che,O.Sakurai,H.Funakubo,K.Shinozaki and N.Mizutani: "Effect of Ca Modification on the Microstructure and Oxidation Property of Submicron Spherical Palladium Powders." J.Materials Research. 12・2. 392-397 (1997)
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[Publications] 車,桜井,安田,篠崎,水谷: "噴霧熱分解法によるSiO_2被覆Pd粒子の合成と形成機構" 日本セラミックス協会学術論文誌. 105・3. 268-270 (1997)
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[Publications] S.Che,O.Sakurai,A.Saiki,H.Funakubo,K.Shinozaki and N.Mizutani: "Evolution of Particle Structure During the Formation of Single-Crystal Spherical Palladium Particles by Spray Pyrolysis." J.Ceramic Society of Japan. 105・4. 313-317 (1997)
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[Publications] 久下,篠崎,水谷: "界面活性剤の吸着量変化による粒子の凝集と焼結密度への影響" 材料科学. 33・4. 173-174 (1996)