1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555208
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Section | 試験 |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本間 基文 東北大学, 工学部, 教授 (50005261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 元 東北大学, 工学部, 助手 (40250716)
籠谷 登志夫 東北大学, 工学部, 助手 (40005343)
杉本 諭 東北大学, 工学部, 助教授 (10171175)
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Keywords | Nd_2Fe_<14>B / 着磁特性 / 焼結磁石 / 磁化エネルギー / 局所的反磁界 |
Research Abstract |
Nd_2Fe_<14>B系焼結磁石の初磁化曲線の立ち上がりは急峻で、磁化が容易であるが、所定の磁石特性を得るには結晶粒内より磁壁を消失させるための高磁界が必要である。本研究は着磁磁界の低減を図る目的で、焼結条件、添加元素の影響を検討するとともに、磁化過程における磁壁の消失について検討し、次ぎの結果を得た。 1 主磁性相合金と水素処理によって作製した微細なNd-rich粒子との混合して、異方性の高い焼結組織を作製し、(BH)max320kJ/m^3以上の特性を得た。その着磁特性を調べた結果、着磁に要する磁界は磁化容易軸と着磁磁界とのなす角度によって変化する磁化エネルギーに依存することを明かにし、異方性の向上が着磁特性の改善に有効であることを見出した。 2 焼結条件によって組織が変化し、磁気特性に影響を与える。焼結後の急冷処理によって微細な主磁性相粒子が析出し、保磁力が低下する。焼鈍よって保磁力は上昇するが着磁特性には殆ど影響がない。また、Wの添加によって焼結組織の結晶粒の平均粒径は約1/2に低下するが、着磁特性は改善しない。 3 着磁機構を検討した結果、局所的反磁界によって結晶粒内に磁壁が残存し、それによって着磁特性が低下する。完全着磁には局所的反磁界以上の磁界の印加が必要であることを指摘した。 4 次年度は、着磁温度と着磁特性の関係、局所的反磁界の低減について検討する予定である。
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