1996 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性合金/強磁性絶縁体型多相グラニュラー合金薄膜による超高周波軟磁性材料の開発
Project/Area Number |
07555211
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Section | 試験 |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤森 啓安 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60005866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 繁弘 (財)電気磁気材料研究所, 研究員 (50142633)
沢崎 立雄 (株)住友金属工業, 未来技術研究所, 研究員
嶋 敏之 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50261508)
三谷 誠司 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20250813)
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Keywords | 磁性薄膜 / ナノ複合薄膜 / 軟磁性 / 高周波磁性材料 / 高電気抵抗 / 渦電流損失 / フェライト / スパッタ |
Research Abstract |
近年、電子機器の小型化、高性能化のキ-テクノロジーとしてフェライトを凌駕する超高周波磁性薄膜材料の開発が強く望まれている。その一つの可能性として、高電気抵抗の磁性金属-非金属グラニュラー構造薄膜が研究され注目されている。しかし、これまでに試みられた物質系は、非金属が非磁性であるために透磁率が低いという欠点を持っている。 本研究は、非金属をフェリないし強磁性にすることによって高透磁率化を図り、それによりこれらグラニュラー薄膜の超高周波磁性薄膜材料としての実用性の具体化を検討、試験するものである。本年はその2年次であり、以下の実験を行い重要な成果を得た。 1)磁性金属Fe、Coと酸化活性な金属(Mgなど)および貴金属(Ag, Cuなど)からなるターゲットをAr+Oガス中でスパッタリングする方法により、Fe-Mg-O、Fe-Ag-O、Fe-(Mg, Ag, Cu9-O系の金属-非金属グラニュラー構造薄膜を作り、非金属がフェリないし強磁性になる条件を系統的に調べた。 2)その結果、Fe-Mg-O径では比較的高い飽和時速密度のものが得られた。このことは、強磁性金属Feとフェリ磁性MgFe_2O_4フェライトのグラニュラー状態の薄膜が得られる可能性を示唆しており注目される。 3)来年度には、Fe-Mg-O薄膜の熱処理ならびにFe-Mg-Oの多層的スパッタリングなどを研究し、全体がより完全な強磁性-フェリ磁性からなる金属-非金属グラニュラー構造の薄膜合成を行い、高電気抵抗・高透磁率・超高周波特性を有する磁性薄膜の開発を達成させる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 大沼繁弘: "高電気抵抗軟磁性薄膜の開発の現状" マグネティックス研究会資料. MAG-97-2. 3-8 (1997)
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[Publications] Y.Hayakawa: "High resistive nanocrystalline Fe-M-O (M=Hf, Zr, rare-earth metals) soft magnetic films for high frequency applications" Journal of Applied Physics. (in press). (1997)
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[Publications] 小林伸聖: "Fe-X-O (X=Y, Nd, Sm, Gd, Td, Dy)系薄膜の磁気特性に及ぼすNi, Pd, Ptの添加効果" 日本応用磁気学会誌. 20. 473-476 (1996)
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[Publications] 大沼繁弘: "Co基高電気抵抗軟磁性膜" マグネティックス研究会資料. MAG-96-158〜170. 1-9 (1996)
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[Publications] 三谷誠司: "Fe基金属-酸化物グラニュラー構造薄膜の巨大磁気抵抗とHall効果" 日本応用磁気学会誌. 21. (in press) (1997)
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[Publications] S.Mitani: "Spin-dependent tunneling phenomena in insulating granular systems" Journal of Magnetism and Magnetic Materials. 165. 141-148 (1997)