1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555212
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山根 正之 東京工業大学, 工学部, 教授 (40016382)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 哲司 東京工業大学, 工学部, 助手 (90221647)
柴田 修一 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00235574)
|
Keywords | 波長可変レーザー / 銅イオン / カルシウム酸塩ガラス |
Research Abstract |
平成7年度は、波長可変固体レーザとしての銅含有ガラスの熔融条件の確定と、レーザ発振の確認のための光学測定系の組立てを中心に研究を進め、以下の結果を得た。 1)レーザー発振に有効なCu^+イオンのみを含み、Cu^<2+>やCu^0は含まない燐酸塩ガラスを得るために、酸素分圧を10^<-10>〜10^<-11>気圧に制御しすることが可能な雰囲気制御炉を作製した。 2)作製した炉を用いて1300〜1450℃で、0.1〜0.3重量%のCuOを含む50CaO-50P_2O_5(mol%)のガラスの熔融を行ったところ、Cu^+イオンの割合は増大したが、ガラス形成成分である燐も同時に還元されて揮発し結晶析出が誘発されるという、当初予測しなかった問題が生じた。 3)そこでガラス作製法を根本的に改め、予め大気中で所定の組成の銅イオン含有ガラスを1300〜1450℃で熔融し、これを微粉砕したものに、還元剤として原子比で銅の1〜3倍シリコン粉末を添加した後、石英ガラスアンプル中に減圧封入して1200℃で再熔融を行なう方法に変更した。この方法により直径が約10mmでで長さ50mmの円筒状の測定試料ガラスを得た。 4)得られたガラスのESR測定でCu^<2+>は検出されず、少なくとも99%以上の銅がレーザー発振に有効なCu^+イオンの状態にあると判定された。しかし、レーザー発振試験の前段階として増幅試験を行うためにこのガラス試料を精密研磨したところ、脈理(部分的な屈折率変動)がみとめられ、この除去方法を検討する必要が生じた。この問題は平成7年度中に解決出来る見通しである。 5)Nd:YAGレーザーの第4高調波を励起光源とする光学測定系の組立を行い、クマリン47を標準として装置の検定を行い、所定の特性を有することを確認した。
|