1995 Fiscal Year Annual Research Report
スタンパの温度制御による高密度ディスクの射出・圧縮成形法の開発
Project/Area Number |
07555217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 和典 東京工業大学, 工学部, 教授 (80016419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉井 正樹 (株)日立製作所生産技術研究所, 主任研究員
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Keywords | 射出成形 / 光ディスク / 転写性 / 通電加熱 / ニッケルメッキ / 急加熱スタンパ |
Research Abstract |
本研究は,スタンパを通電加熱により樹脂の流入時の短時間だけ急加熱することによって転写性を向上させる技術を開発するものである。平成7年度の研究ではまず単純な帯板状キャビティ内への射出を取り上げた.ここでスタンパのモデルとして,セラミックスのブロックの表面にニッケルメッキを施し,このメッキ層を通電加熱する. 得られた結果を要約すれば次の通りである. (1)スタンパモデルについてはまず無電解メッキ法によって厚さ(10μm)のメッキ層を得たが,さらに焼鈍することによって密度を向上させ材質を改善するとができた. (2)大気中で通電し加熱冷却特性を調べた結果,10Vの電圧を3秒間印加することにより80℃の昇温が得られ,2秒の放冷により50℃の温度低下を得ることができた.温度変化の速度はメッキ層厚さや電圧により変わるが,ここで達成された速度は通常の金型の加熱,冷却速度に比較して格段に速く,この方法が射出成形特性の制御に有効であることを示している.またスタンパ面の温度分布の赤外線カメラによる測定結果より,面内の温度むらは小さく実用的に問題はないことを確認した. (3)このスタンパを用いて射出成形を行った結果,通電加熱の効果は転写性及び射出圧力に極めて大きいことがわかった。ただし今回のモデルスタンバの表面形状はベースのセラミックブロックの粒子粗さがそのままメッキ層表面に現れたものである.従って続く平成8年度の研究では,光ディスクのピットに対応する微細形状を持つスタンパモデルを製作した上で更に詳細な検討を行うことが必要である.また数値解析を行い,これらの現象を力学的に解明したい.
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[Publications] 加藤,安原: "光ディスク基板の射出成形における転写性について" 日本レオロジー学会高分子加工技術研究会. 前刷. (1996)
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[Publications] 安原,加藤,潮崎,大竹: "通電加熱スタンパによる射出成形の転写性に関する研究" プラスチック成形加工学会講演予稿集. (1996)