1996 Fiscal Year Annual Research Report
スタンパの温度制御による高密度光ディスクの射出・圧縮成形法の開発
Project/Area Number |
07555217
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 和典 東京工業大学, 工学部, 教授 (80016419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉井 正樹 (株)日立製作所生産技術研究所, 主任研究員
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Keywords | 射出成形 / 転写性向上 / 通電加熱 / ニッケル薄膜 / 急加熱・急冷却 |
Research Abstract |
本研究では,光ディスク射出成形に用いる急加熱・急冷却可能な通電加熱スタンパを試作し,微細形状の転写性の検討を行った. 10×100×5mmのセラミックス板(AIN)表面に無電解ニッケルメッキにより約10μmのニッケル層を堆積させた.次に400℃で15分間熱処理し,表面をバフで仕上げることにより通電加熱スタンパとした. このスタンパの両端に電極を取り付け,表面のニッケル層に10Vの電圧をかけると15Aの電流が流れた.このときのニッケル層の表面温度を測定したところ,電圧をかけてから1.5秒後に20℃から100℃まで上昇し,電圧を切ると5秒で100℃から50℃まで下降することがわかった. この通電加熱スタンパを用いて射出成形実験を行い,成形品表面を光学顕微鏡で観察することにより転写性の検討を行った.実験条件は主にスタンパ加熱開始時間及び加熱保持時間を変化させた.成形品の観察結果より,射出開始時刻2秒前に通電加熱を開始し,2秒もしくは3秒間加熱する条件で成形を行った場合に転写性が向上した.また,流動が停止してから加熱を行うと表面が高温になりすぎ,気泡が発生してしまうことがわかった.このことより射出開始前に表面温度がポリスチレンのガラス転移点(100℃)付近である場合に転写性が向上することがわかった. また,金型内の樹脂温度変化を,厚さ方向について一次元の固体熱伝導モデルとして数値解析を行った.ここで,樹脂温度250℃,金型初期温度35℃とした.その結果,微細形状の転写に影響があると考えられる表面から10μmの位置では,通電加熱を行わない場合はすぐに金型温度までさがってしまうが,通電加熱を行うと射出開始後約0.2秒間樹脂がガラス転移点以上に保たれることがわかった. これらのことより,本研究で試作した通電加熱スタンパは短時間加熱を行うことで生産性を低下させることなく転写性を向上させることができることがわかった.
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[Publications] 安原鋭幸 加藤和典 潮崎正一 大竹尚登: "通電加熱スタンパによる射出成形の転写性に関する研究" 成形加工'96. 193-194 (1996)
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[Publications] 安原鋭幸 加藤和典 藤澤直樹 潮崎正一 大竹尚登: "通電加熱スタンパによる射出成形の研究 -加熱・冷却条件と流動特性-" 成形加工シンポジア'96. 107-108 (1996)
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[Publications] 安原鋭幸 加藤和典 藤澤直樹 潮崎正一 大竹尚登: "通電加熱金型による射出成形の転写特性の研究" 第4回機械材料・材料加工技術講演会講演論文集. 96-39. 13-14 (1996)