1995 Fiscal Year Annual Research Report
高性能超伝導酸化物柱状晶とAgとのIn-Situ複合化プロセスの開発
Project/Area Number |
07555221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大城 桂作 九州大学, 工学部, 教授 (40038005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船木 和夫 九州大学, 工学部, 教授 (60091352)
友清 芳二 九州大学, 工学部, 助教授 (40037891)
森 信幸 九州大学, 工学部, 助手 (20108666)
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Keywords | YBCO / 超伝導酸化物 / 銀 / 接合 / 酸化物高温超伝導体 / 界面抵抗 / 凝固 / 包晶 |
Research Abstract |
凝固法により常伝導211相及び銀粒子を超伝導123相中に分散させ、クラック発生を押えるとともに磁束のピン止め効果を与えて臨界電流密度(Jc)の向上を図るための組織制御原理について研究した。YBCO/Ag複合体の融液+211+Ag領域から123相を柱状成長させる途中で急冷した試料を作製し、SEM,EPMA,及びX線回折法を用いて123相柱状晶のセル状ファセット界面の立体構造を調査した結果、セルは主にYBCOの結晶格子面(001)(100)及び(010)の3面からなる三角ピラミッド状であった。このセルは3つの稜線を持ち、各稜線を構成するファセット面の成長時に、セル先端の凝固軌跡にそってAg粒子が少ない帯状領域が3帯同時に生成した。これはAg粒子が123相に取り込まれるにはある臨界大きさに達する必要があるためであり、また、セル先端では拡散層が扇状に広がる効果により123相形成に消費される211相の量が少ないため、中央部で残留211粒子が多い2重構造の帯状領域となった。次いで、柱状晶組織のYBCOを約5×5×3mmの平板としてAgとの接合体を2種類の製造法で作成し、四端子法で界面抵抗を77Kで測定した。まず固相法でホットプレスにより固体銀/YBCO接合体を作った。接合体界面には反応層は検出されず、界面抵抗率ρcは接合温度と圧力の増大に伴い減少し、873K,32MPa,3600sで約2×10^<-12>Ω・m^2の最低値を得た。次に、YBCO板上の金属Ag或はAg_2O粉+YBCO混合粉を溶解して溶融接合した。Agの融点直上(1233K)の接合では反応は殆どないが界面抵抗率ρcは約10^<-9>Ω・m^2以上と大きく接合不十分であった。より高温で溶融接合した場合はρcは非常に大きく、これはAgによる包晶温度低下により123相が211相と融液相(L)に分解して界面反応層が生じたためであった。この融点低下を逆用し、接合後に包晶温度以下まで徐冷して反応層から123相を凝固回復させた接合体では、123相中に211相とAgが分散した組織となりρcは約10^<-12>Ω・m^2と改善された。さらに、YBCO/Ag複合体とAg或いはAg_2O+YBCO粉との接合体ではρcは約10^<-12>Ω・m^2に低下し、複合線材の安定条件をほぼ満足した。
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Research Products
(1 results)