Research Abstract |
(1)Mo(Si,AL)_2コーティングのクラック生成の防止 Moの曲率範囲が小さい部分ではMo(Si,AL)_2生成層にクラックが生じる。そこで2ケイ化物をつくるNb,Cr,Ta,TiをAL-Si融体に添加して生成皮膜のクラック抑制効果を検討した.このうち,Crでは抑制効果が確認された.CrはMo(Si,AL)_2皮膜の外皮にC40型(Cr,Mo)(Si,AL)_2の形で存在した.表面の(Cr,Mo)(Si,AL)_2によりMo(Si,AL)_2針状粒子の再配列が促された結果,クラックのない均質な皮膜になったものと考えられる. (2)1025KでのNb-Si-Al系三元状態図とSi不飽和Al融体によるディップコーティング. 1025KにおいてSi不飽和Al融体によるNbのディプ実験を行い,反応生成層から融体と共存する相を決定しNb-Si-Al系三元状態図を作成した.Al濃度が80mol%までSi飽和Al融体と同じくC40型Nb(Si,Al)_2が生成し,90mol%以上のAl濃度ではDO_<22>型Nb(Al,Si)_3が生成した.1523Kで確認されているC54型Nb(Si,Al)_2は生成しなかった.また,Al濃度が77〜87mol%では皮膜の生成が不安定になり,DO_2とC40が交互に折出した縞状組織になった.これはC40とDO_2の生成におけるAlとSiの消費率が著しく異なるためと考えられる.すなわち,C40が生成するとSiが著しく消費され反応界面ではSi濃度が薄くなる.そのため,DO_2が生成し始めるが,DO_2生成が進行するとAlが消費されて反応界面の融体のSi濃度が増加し,やがてC40が生成し始める.このような反応過程により縞状組織の皮膜になったものと考えられる. (3)液相反応焼結 Mo,Si,Alの混合粉末では自己燃焼反応を起こし,焼結体に大きなクラックが生じた.また,Mo_5Si_3,Al,Siの混合粉末でも同様に自己燃焼反応を起こした.今回の実験では使用したMoやMo_5Si_3の粉末は粒径が数μmと細かいので,融体との接触面積が大きくなり,反応による発熱が大きいために自己燃焼反応を起こした.今後,粒径が数百μm以上の粉末を用いて,反応面積を小さくして焼結する必要がある.
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