1996 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体中における合成ゴム製造プロセスの開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
07555231
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
猪股 宏 東北大学, 工学部, 助教授 (10168479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RICHARD Lee 東北大学, 工学部, 助教授 (60261583)
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Keywords | 超臨界 / ポリマー / 分配比 / ポリブタジェン / 脱溶媒 / ラジカル重合 |
Research Abstract |
本研究では、超臨界流体を用いた新しい合成ゴム製造プロセスの開発のための基礎研究として、重合溶液からの未反応モノマーや超臨界流体による脱溶媒といった現プロセスの一部工程の改良、ならびに重合溶媒として超臨界流体を溶媒とした合成ゴム製造プロセスの提案することを目的とした. 超臨界流体には、臨界温度が室温付近にある二酸化炭素を用い,重合溶液からの溶媒の抽出実験を行った.試料には常法にて製造されたSBRに重合溶媒のヘキサンを加えて調整したものを用いた。実験は回分式で、操作条件はヘキサン-CO2系の気液平衡データから40°Cで、圧力は2相領域ならびに均一相領域とした。抽出実験では、S/F〜100程度の試料中の残存溶媒は1%以下になることが判明した。S/Fがかなり大きな値となった理由としては、装置壁面に試料ポリマーが付着して超臨界気体と試料の接触効率が低下したことが推定された。無限稀釈領域での分配係数の測定は,超臨界クロマトの測定より1〜2で,圧力とともに増大する傾向が見い出された.超臨界CO2中でのスチレンのラジカル重合を行い,転化率時間曲線,分子量分布と反応圧力との関係を検討した.8Mpaではバルク重合とほぼ同じ重合速度となったが,15,20Mpaでは重合速度の低下が見られた.これはCO2による稀釈効果として液体溶媒についての既知の速度定数などを用いてシミュレーションをおこなったところ,定性的な傾向は再現できたが定量的な精度は得られなかった.これは,重合進行にともなってポリマー粒子の析出が発生するためと推察され,異相系での反応形態を明確にすることが重要な課題と示唆された.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] G. M. Acosta, R. L. Smith: "High Pressure PVT Behavior of Natural Fats and Oils" J. chem. Eng. Data. 41(5). 961-969 (1996)
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[Publications] Lee, R. L. Smith: "Separation of Copper from plastic Waste Material by Air Classification and Water Flextation" J. Environ Sci. Healrh-A. 31(5). 1197-1214 (1996)
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[Publications] H. Inomata: "Phase Equilibrum Calculation with a Local Composition Model Based on Lenrword-Jones Petertial" Fluid Phase Equilibria. 125. 13-18 (1996)
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[Publications] H. Inomata: "Molecular Dynamics Simulation of lnfimtely Dilute Solutions of Benzene in Supercvitical CO2" Fluid Phase Equilibria. 116. 282-288 (1996)