1995 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界水中でのPETの分解によるモノマーリサイクルプロセスの開発
Project/Area Number |
07555232
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿尻 雅文 東北大学, 工学部, 助教授 (60182995)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小坂田 国男 日本コカコーラ(株), エンジニアリング部, 環境技術部長
酒井 幸一 帝人(株), 樹脂技術生産部, 部員
福里 隆一 神戸製鋼(株), 環境開発部, 部長
SMITH L.R 東北大学, 工学部, 助教授 (60261583)
新井 邦夫 東北大学, 工学部, 教授 (10005457)
|
Keywords | 超臨界水 / PET / テレフタル酸 / 分解 / 原料回収 |
Research Abstract |
本研究は、超臨界水中でのPETの分解反応機構についての実験的検討を行い、そこからの最適な分解条件の決定を目的とする。ここでは、PETの分解反応における反応温度、反応圧力、反応時間による生成物の変化を調べ、PETの原料であるテレフタル酸を高収率、高回収率で得る条件について検討した。 亜臨界条件(300℃、40MPa)では、反応時間5分でPETの95%が分解し、約12分で完全に分解した。その際のテレフタル酸の回収率は、約75%であった。 一方、超臨界条件(400℃、40MPa)では、反応時間5分で完全に分解し、PET中のテレフタル酸の回収率は85%であった。また、得られたテレフタル酸の純度は99.5%と極めて高かった。 次に、亜臨界条件(300℃、40MPa)および超臨界条件(400℃、40MPa)でのテレフタル酸の分解実験を行なったところ、共に40分の実験でも反応率は10%程度であった。つまり、テレフタル酸は、本条件下では比較的安定あることがわかった。 以上の結果から、超臨界状態では高速にテレフタル酸までの分解が進み、加えて生成したテレフラル酸が安定であるため、高温ほどテレフタル酸を高収率得られることがわかった。 超臨界水中での分解反応が、PETのモノマー回収法としての高い可能性あることが示唆された。
|