1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555255
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古崎 新太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40011209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 実 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80206622)
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Keywords | 植物培養細胞 / 剪断応力 / シアストレス / 撹拌槽 / 生存率 / アグリゲートサイズ |
Research Abstract |
本研究の目的は,流体ストレスの加わった系での細胞の増殖(生存率)および物質生産挙動を,極めて限られた回数の簡単な実験の結果を利用して推定する手法の開発に関わるものである。 (1)植物細胞の生存率測定法自体の問題点 植物培養細胞の生存率の測定には,通常,Evans'Blueなどの染料による染色法が用いられているが,一般に植物培養細胞は数個から数十個の集塊を形成するため,この手法は適用は問題が大きい。他方,これに代わるものとして,TTCのような呼吸酵素系を利用したformazan色素の指標とする方法も頻用されている。しかしながら,後者においても,その色素生成量は,培養移管,pH,TTC濃度のみならず,培養のフェーズや剪断応力などによっても変化し,定量的な評価には適さないことを明らかにした。 (2)層流系での剪断応力の影響 前年度に引き続き,粘度計型の培養槽を用いて,層流系での臨界剪断応力を測定したところ,細胞種によって著しく異なる結果が得られ,また,培養時間やinoculum sizeによっても異なることを示した。 (3)乱流系での剪断応力の影響 撹拌槽内で翼の形状と,臨界剪断応力の関係を調べたところ,アンカー翼が一番良いという結果が得られ,疑似細胞粒子の結果と傾向は一致するものの,同じ直線上には乗らなかった。得られた結果は,平均のエネルギー消散速度よりも,翼近傍の局所的なエネルギー消散と相関することができた。一方,物質生産については,流体ストレスが生産を促進することが示され,この点に関してアグリゲートサイズの影響が重要であることを示した。
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