1995 Fiscal Year Annual Research Report
触媒増殖反応を用いる超微量指標金属種の高性能化学計測法の開発
Project/Area Number |
07555259
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金子 恵美子 東北大学, 工学部, 助手 (00241539)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗林 孝明 三菱化学(株), 総合研究所, 研究員
四ツ柳 隆夫 東北大学, 工学部, 教授 (00001199)
|
Keywords | 触媒増殖反応 / コバルト / 5-Br-PAPS |
Research Abstract |
本研究は,被分解錯体中に触媒として働く金属イオンを閉じ込めておき,これを分解する反応の進行に伴って触媒が増殖される反応系を設定することによって,無限の感度を有する化学計測法の確立を目的とするものである. 本年度の成果としては,上記の着想をコバルト(III)-ピリジルアゾフェノール系色素(5-Br-PAPS)系によって具体化することに成功した.また,誘導期間を経た後に急激に反応が進行する試薬濃度-時間曲線は,良好な一定形状を有して触媒初濃度に依らず,反応が誘導期間を経た後に急激に進行することから目視での計測が容易であり,濃度を時間に変換できる特徴を活用して,ストップウオ-ッチひとつて超微量を容易に計測できる方法を可能にしている.この研究の過程で時間曲線にシミュレーションに着手し,錯体の分解によって生じたコバルトイオンが配位子である5-Br-PAPSおよびそのコバルト錯体の酸化分解の両者に触媒作用を示すことから検討を行った.その結果,この反応では,触媒として働く金属化学種と反応生成物の活量が,反応開始後の時間経過に伴って大きく変化するために,反応開始後の時間経過に伴って変化する溶液環境を支持反応への影響因子として考慮する必要性が判明した.今後は,指示反応系の拡張によって本法に適合する試薬の特性について指針を得るとともに,触媒増殖過程に影響を与える物質の種類と機構の検討が重要な課題である.
|
-
[Publications] Masahito Ishihara: "An Autocatalytic Constant Sensitivity Detection System for Catalysts and Infectors" Chemistry Letters. 1995. 349-350 (1995)
-
[Publications] Masatoshi Endo: "Autocatalytic decomposition of cobalt complex as an indicatorsystem for the determination of trace cobalt and infectors" Analyst. (印刷中). (1996)