1997 Fiscal Year Annual Research Report
FABマススペクトルのデータ集積フォーマットの作成とデータベース構築の試み
Project/Area Number |
07555263
|
Research Institution | NARA WOMEN'S UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山本 正夫 奈良女子大学, 理学部, 教授 (80028159)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 稔夫 三菱化学(株), 筑波研究所, リサーチフェロー
澤田 正実 大阪大学産業科学研究所, 助教授 (70029883)
藤瀬 裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60004355)
阿部 英次 豊橋技術化学大学, 工学部, 教授 (00006470)
竹内 孝江 奈良女子大学, 理学部, 助手 (80201606)
|
Keywords | FABMS Data Base / FABMS Data Acquisition / Classification of Mass Spectra / Knowledge about Fragmentations |
Research Abstract |
本年度はこの研究の最終年度になった。平成9年10月に熊本市で開催された情報化学討論会で阿部班員により本研究の一部が,「FABマススペクトルデータベース構築の試み」の演題で研究報告された。平成9年12月上旬に浜松医科大学で班会議をもち,3年度にわたる研究情況の総括を行った。本研究では,まず同一の試料を異なる装置で測定することから,本来の装置のもつ特性が場合によってはスペクトルに反映されることがわかった。次に,研究者のもつ測定上のノウ・ハウを認めた上で,これをデータベースにどのように載せていくかが討議されるとともに,今後の課題としても残された。さらに,マススペクトルからの構造予測を理論的に明らかにする道筋を検討した。これらの結果を研究報告書に取りまとめることとし,その分担を決めた。(1)実験結果は,笠間,斎木,志田が取りまとめる。共通に測定した試料について,ペプチド,糖,テトラサイクリンを各物質ごとに,装置によるスペクトルの差,イオン化効率の向上,マトリックスと添加物などについて記述する。(2)データ集積フォーマットは阿部,酒井,藤瀬が協力し,阿部が取りまとめる。測定したデータを集積フォーマットに入れ,データベースの試作とする。パソコン上でデータが見られるようにする。(3)知識情報データベースを構築するための基礎研究として,マススペクトルに現れるフラグメントイオンとその構造を対応させることを試みる。FABMSではEIMSに比べるとフラグメントイオンの生成量は少ない。EIMSではフラグメントイオンを指紋としてとらえることができるが,FABMSではフラグメントイオンと構造が1:1の対応となる。この観点から,半経験的分子軌道法を使って,プロトン化分子やアルカリイオン付加分子の最適化構造とプロトンやアルカリ金属イオンの付加する位置,安定性を検討した。この結果は竹内が取りまとめる。
|