1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555280
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Section | 試験 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉尾 皓平 京都大学, 化学研究所, 教授 (60026218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 靖 信越化学工業(株), シリコーン電子材料技術研究所, 主席研究員
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Keywords | シロール / ポリシロール / パイ電子系 / パラジウム触媒 / クロ入カッポリング / 分子内環化 / 有機EL素子 / 電子輸送特性 |
Research Abstract |
本研究は,シロール(シラシクロペンタジェン)環を基本構成単位をして主鎖に含む一連の高分子群の開発を主目的としている.本研究における目標化合物として,シロール環が2.5位でつながったポリシロールの他,シロールとベンゼン,ピリジン,アセチレン等の種々のパイ電子系との共重合体が挙げられる.本年度は,ポロシロールの合成には現在のところまだ至っていないが,次のような成果を上げることができた. 1.2,5-ジエチニルシロール誘導体の動静と物性 シロールとアセチレンとから成る2,5-ジエチニルシロールを新しい構成単位とするパイ電子系の構成について検討した.2,5-ジブロモシロールと相当するアリールエチニルスタンナン誘導体とのパラジウム触媒を用いたクロスカップリングにより,ベンゼン,チオフェン,ピリジンなどの他のパイ電子系との一連のオリゴマーおよびポリマーを合成することに成功した.これらの化合物は,何れも紫外可視スペクトルにおいて長波長領域に特徴的な吸収を示すなど,興味深い特性を示した.これは,シロール環の特異な電子構造に起因するものと考えられる. 2.2,5-ジアリールシロールの一般的合成法の開発 ビス(フェニルエチニル)シランのリチウムナフタレニドを用いた還元的分子内環化によるシロール環形成反応,それに続くパラジウム触媒をもちいたハロゲン化アリールとのクロスカップリング反応により,一連の2,5-ジアリールシロールがone-potで高収率で得られることを見いだした.また,得られた2,5-ジアリールシロールの有機EL素子への応用の可能性についても検討を行い,その極めて高い電子輸送特性が明らかとなった.
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[Publications] Shigehiro Yamaguchi: "Theoretical Study of the Electronic Struoture of 2,2′-Bisilole in Comparison with 1,1-Bi-1,3-cydopentadiene : 6^*-F^* Conjugation and Low-Lying LUMO as the Origin" Bull.Chem.SOc.Jpn.69. 2327-2334 (1996)
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[Publications] Kohei Tamao: "Silole-pynole co-oligowers : their synthesis,structure and LV-VIS absorption speatra" chem.Commun.1873-1874 (1996)
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[Publications] Kohei Tamao: "Silole Deriavatives as Efficient Electron Tramsporting Materiats" J.Am.Chem.Soc.118. 11974-11975 (1996)