1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555280
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
玉尾 皓平 京都大学, 化学研究所, 教授 (60026218)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 靖 信越化学工業(株), シリコーン電子材料技術研究所, 主席研究員
|
Keywords | シロール / ポリシロール / パイ共役高分子 / テルル-リテウム交換反応 / テルロフェン / ハロゲン化脱シリル化反応 / シロール-アレーン交互共重合体 / クロスカップリング |
Research Abstract |
本研究は,シロール(シラシクロペンタジエン)環を基本構成単位として主鎖に含む一連の高分子群の開発を主目的としている.本研究における目標化合物として,シロール環が2,5位でつながったポリシロールの他,シロールとピロール,ベンゼン,ピリジン,アセチレン等の種々のパイ電子糸との共重合体が挙げられる.本年度の成果は次のようにまとめられる. (1) 新規シロール環合成法.1.テルロフェンを経由したシロール誘導体の合成 2,5-ジアリールシロール誘導体を対応するテルロフェンからテルル-リチウム交換反応を経由して合成する新しい方法を開発した.この方法により,3,4-無置換-2,5-ジアリールシロールおよびスピロビ(2,5-ジアリールシロール)を得ることに成功した. (2) 新規シロール環合成法.2.2,5-二宮官能性シロールの新規合成法の開発 2,5ジシリルシロールのICl/AgBF_4を用いたハロゲン化脱シリル化反応により,ポリ(2,5-シロール)の有用な前駆体である3,4-ジアルキル-2,5-ジヨードシロールを得ることにに成功した.ジヨードシロールを原料として用いた高次クプラートを経由する酸化的カップリングにより,シロール二量体の合成にも成功した. (3) シロールボロン酸を用いたシロール-アレーン交互共重合体の合成 ジエチルシランのLDMANを用いた分子内還元的環化反応を基に,シロールジボロン酸を得ることに成功した.ジボロン酸とジハロアレーンとのPd(0)触媒を用いた鈴木・宮浦クロスカップリング反応により,これまで合成が不可能であったシロール-アレーン交互共重合体を得ることに成功した. 本研究で得られた成果は,当初の予定に含まれていたもの以外のものもいくつか含んでいる.本研究の目標を十分に達成できたと思っている.しかし,本研究の最大の標的化合物であったシロール環が2,5位でつながったポリ(2,5-シロール)の合成には依然成功していない.今後,本研究で開発に成功した新規合成法をもとに,ポリ(2,5-シロール)の合成について検討していきたい.
|
-
[Publications] S.Yamaguchi: "Silicon-Catenated Silole Oligomers : Oligo (l.l-silole) s" Organometallics. 16・12. 2486-2488 (1997)
-
[Publications] S.Yamaguchi: "Syvithesis of a Series of l,l-D : functionalijed Siloles" Organometallics. 16・11. 2230-2232 (1997)
-
[Publications] S.Yamaguchi: "A New Example of the Linear Disiloxanes : Synthesis and x-ray Crystal Structure of Bis (2-silolye) TeNamethyedisiloxane" Chem.Heterocycle.Comp.356・2. 180-185 (1997)