1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555281
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 功 大阪大学, 工学部, 教授 (70029049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 健吉 ライオン(株), 研究開発本部, 本部長
平尾 俊一 大阪大学, 工学部, 教授 (90116088)
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Keywords | 超高性能界面活性剤 / ビス型陽イオン性界面活性剤 / 多点吸着 |
Research Abstract |
本研究によって、従来用いられている唯一の型である1疎水鎖1親水基型の陽イオン性界面活性剤を適切な連結基で結合した2鎖2親水基型ビスアンモニウム塩型界面活性剤が、極めて低濃度でミセルを形成し、例えばドデシル誘導体を例にとると、一鎖一親水基型(単量体と称す)が10^<-2>Mである臨界ミセル濃度が、二量体、三量体ではそれぞれ10^<-4>および10^<-6>Mと極めて大きく低下すること、表面張力低下能も優秀であり、さらに、通常陽イオン性界面活性剤では起泡力・泡安定性とも決定的に劣るのが一般的であるにもかかわらず、このものは陰イオン界面活性剤で見られる最高程度の泡特性をも凌ぐものであることを明らかにした。 さらに、陽イオン界面活性剤は繊維柔軟剤、帯電防止剤、あるいは消毒剤などに実用されているが、その特性が固体表面への吸着現象を利用することによって発揮されることに鑑み、2鎖2親水基型(二量体)から、さらに多点吸着の有効性を期待して三量体および四量体を合成し、繊維表面への吸着力を調べた。その結果、繊維の単位重量あたりの吸着量をアンモニウム基の数換算の比較で、二量体では単量体の5倍程度、3重体は8倍程度の吸着量が観察された。しかしながら、四量体になると吸着量はかえって減少し、二量体と同程度の吸着量にとどまった。これは多量体になるにしたがって分子の吸着断面が円形から外れていくため最密充填し難くなるためと理解できる。 以上本研究の最終年度において、1.連結基の選択において反応速度を高める効果のあるものを見いだすことが出来た。2.合成した陽イオン界面活性剤の特異的かつ優れた界面物性を明らかにし、構造との関係も明らかにした。3.陽イオン界面活性剤の大きな特性である吸着量と多量化の関係を明らかにし、最適構造を示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 池田 功 他: "Preparation of bis-Quaternary Ammonium Salts from Epichlorohydrin" J.Amer.Oil Chemists′ Soc.,. 73(1). 67-71 (1996)
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[Publications] 池田 功 他: "Surface-Active Properties of Novel Cationic Surfactants with Two Alkyl Chains and Two Ammonio Groups" J.Amer.Oil Chemists′ Soc.,. 73(7). 907-911 (1996)
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[Publications] 池田 功 他: "Preparation and Properties of Multiple Ammonium Salts Quaternized by Epichlorohydrin" Langmuir. 12(26). 6304-6308 (1996)