1996 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化を利用した特異的な構造・機構を有する化合物の構築
Project/Area Number |
07555292
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原田 明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80127282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蒲池 幹治 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40028163)
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Keywords | 自己組織化 / シクロデキストリン / 超分子 / 包接 / 分子認識 |
Research Abstract |
シクロデキストリンと種々の種々のポリマーとの包接錯体を調製した。α-シクロデキストリンとポリエチレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリオキシトリメチレン、ポリ-ε-カプロラクトン、ポリエチレンアジペ-ト、ポリブチレンアヂペ-トやβ-シクロデキストリンとポリプロピレン、ポリピレングリコール、γ-シクロデキストリンとポリメチルビニルエーテル、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレンとの錯体を合成した。シクロデキストリンの水溶液中にポリマーを加え、加温しながら超音波を照射する事により錯体を調製した。この錯体の構造を粉末X-線や固体の核磁気共鳴スペクトルにより検討した。その結果、シクロデキストリンとこれらのポリマーとの錯体は化学量論的であり結晶性でシクロデキストリンが円筒状のカラムを形成し、シクロデキストリンが形成するトンネルの中にこれらのポリマーが取り込まれていることがわかった。シクロデキストリンとヘキサエチレングリコールとの包接錯体の単結晶のX線構造解析を行った。シクロデキストリンは結晶中でトンネルを形成し、そのトンネルの中にエチレングリコール鎖が取り込まれている事が明らかになった。またカチオン性のポリマーであるビオローゲン型のポリマーとシクロデキストリンとの包接錯体形成について検討した。核磁気共鳴スペクトルによりビオローゲン型のポリマーはシクロデキストリンと水溶液中で包接錯体を形成することがわかった。α-シクロデキストリンはビオローゲンポリマーを取り込むのに数日かかるのに対して、β-シクロデキストリンは同じポリマーを瞬間的に取り込むことがわかった。γ-シクロデキストリンでは相互作用は見られない。このようにシクロデキストリンは種々のポリマーを選択的に取り込み、特徴的な包接錯体を形成することが明らかになった。
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[Publications] A.Harada,S.Suzuki,M.Okada,M.Kamachi,: "Preparation and Characterization of Inclusion Complexes of Polyisobutylene with Cyclodextrins" Macromolecules,. 29(17). 5611-5614 (1996)
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[Publications] A.Harada,H.Adachi,Y.Kawaguchi,M.Okada,M.Kamachi,: "Complex Formation of Cyclodextrins with Cationic Polymers" Polym.J.28(2). 159-163 (1996)
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[Publications] A.Harada: "Supramolecular Architectures Consisting of Polymers and Cyclodextrins" Coord.Chem.Rev.148(1). 115-133 (1996)
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[Publications] A.Harada: "Supramolecular Assemblies through Macromolecular Recognition by Cyclodextrins" Supramolecular Science. 3(1-3). 19-23 (1996)
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[Publications] A.Hashidzume,A.Kaiiwara.A.Harada,M.Kamachi: "Polymerization of an azastyrene derivative,1,1,6-Addition Polymerization of 2,6-diisopropyl-N-methyleneaniline" Macromol.Rapid Commun.17. 529-537 (1996)
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[Publications] 原田明: "21世紀に向けて高分子化学・技術の目指すもの-分子認識による高分子合成" ペテロテック. 19. 824-826 (1996)
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[Publications] A.Harada: "Large Ring Molecules" John-Wiley,26 (1996)
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[Publications] A.Harada,B.Zsadon: "Comprehensive Supramolecular Science" Pergamon, 13 (1996)