1997 Fiscal Year Annual Research Report
新規アフィニティクロマト剤の開発-ピコレベルでのパイロジェンの選択除去-
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07555294
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
平山 忠一 熊本大学, 工学部, 教授 (10040429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 侃 (株)興人, 開発技術本部, 部長
坂田 眞砂代 熊本大学, 工学部, 助手 (60187391)
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Keywords | パイロジェン / エンドトキシン / リポポリサッカライド / N, N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド / ジビニルベンゼン / アリルアクリルアミド / 牛血清アルブミン / アミノ基 |
Research Abstract |
本年度は,ジビニルベンゼン(DVB)およびアリルアクリルアミド(AA)を橋かけ剤として,N, N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA)の架橋粒子を調製し,同粒子のパイロジェン(エンドトキシン)選択吸着能,とくにタンパク質-エンドトキシン混合溶液からのエンドトキシン選択除去能について詳細に調査した。同粒子は以下のような特長を示した。 1)DMAPAA/DVB粒子(アミノ基含有量:5.1meq/g, M_<lim>:4000)は,DMAPAA由来のカチオン性とDVB由来の適度な疎水性の相乗効果により,従来の吸着剤ヒスチジン固定化セファロースに比べ,幅広いイオン強度域(μ=0.05〜1.0)および幅広いpH域(pH5〜9)で高いエンドトキシン吸着能を維持できた。 2)DMAPAA/DVB粒子(アミノ基含有量:5.1meq/g, M_<lim>:4000)は,ナチュラルエンドトキシンの混在している種々の酸性タンパク質溶液からタンパク質を吸着することなく,エンドトキシンのみを吸着除去し,処理後のタンパク質溶液のエンドトキシン濃度を0.1ng/ml以下にすることができた。 3)橋かけDNAPAA球状粒子は,構造上に-COO-bondをもたないため耐アルカリ性が強く,0.2M-水酸化ナトリウム溶液および2M-塩化ナトリウム溶液で洗浄することにより,完全に再生できることがわかった。 これらの結果より,橋かけDMAPAA球状粒子は,微量のエンドトキシンに汚染されているタンパク質溶液中からのエンドトキシン選択除去に最も適した吸着剤である。
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