1995 Fiscal Year Annual Research Report
ヒューマン・エラーを考慮した防火・防煙システムの冗長設計と信頼性に関する研究
Project/Area Number |
07555313
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福地 信義 九州大学, 工学部, 教授 (80039677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木原 和之 三菱重工業, 船舶海洋事業本部, 部長
土井 康明 広島大学, 工学部, 助教授 (10134454)
古林 義弘 熊本工業大学, 構造工学科, 助教授 (00234857)
ジョージ トーマス 大阪府立大学, 工学部, 講師 (40243919)
篠田 岳思 九州大学, 工学部, 助教授 (80235548)
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Keywords | ヒューマン・エラー / 防火・防煙システム / 冗長設計 / 生起確率 / FTA / ファジィ理論 / 危惧度 / システム信頼性 |
Research Abstract |
船舶火災が発生した場合に,避難や消火活動の時間を確保するためには,煙拡散の状態を把握して煙制御のための防排煙装置を設ける必要があり,これらは防火・防煙システムとしての極めて高い信頼性が要求される。最近の混乗船の増加傾向に伴う船員の質の低下により,ヒューマン・エラーに起因する重大な火災事故の発生も懸念される。このため,誤判断,誤操作が起こり難い防火・防煙システムの構築が,行動基準(SOP)の策定とともに,冗長性のあるシステム設計を行う必要がある。 本研究では,火災伝播および煙拡散の現象解析の既存の研究成果に基づき,火災発生時の時系列的シナリオをもとに防火・防煙システムを構築した。次にこのシステムを対象に人的因子による過誤と防火・消火・防排煙装置の故障発生確率を類推し,これらをもとにFTA(故障の木遡及解析)手法によりシステムの信頼性解析を行った。一般に事故に繋がる基本事象の生起確率は極めて小さくあいまいなものであり,それらを用いて頂上事象の発生頻度を算出しても実際的な信頼度を表わすものとしての意義は疑しい。このため,防火・防煙システムの担当者に対して防火演習時の人的過誤に関する聞き取り調査を行い,これに基づき事故の生起確率を推定する方法が必要となり,ファジィ理論を応用した推定方法を確立した。また,人的過誤に伴う事象の生起に含まれる不可測性を考慮するため,事象生起の事象シーケンス集合を定めて,ファジィ測度を用いて頂上事象生起の確信度を算定する方法を提案した。なお,これらの方法については日本造船学会への論文発表を行った。
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[Publications] 篠田岳思,福地信義: "ヒューマン・エラーを考慮した機能システムの信頼性評価(その2)事象の不可測性と事故対策の信頼性" 日本造船学会論文集. 178. 629-637 (1995)
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[Publications] 福地信義,加藤義雄,古賀幹生: "荷役設備-内航タンカー向け荷役自動化システムの開発" 日本造船学会誌. 799. 19-25 (1996)