1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555319
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大楠 丹 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70038537)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 康二 石川島播磨重工業(株), 技術研究流体燃焼研究部, 課長(主任研究員)
|
Keywords | 大水深 / ライザー管 |
Research Abstract |
大水深用ライザー管の水中における挙動をシュミレートする計算コードを完成した。 ライザー管のダイナミックスをモデル化するにあたり、差分法と有限要素法について検討し、後者を用いることにした。 ライザー管を多数の円柱形セグメントに分割し、セグメント間の相対変位によってライザー管の局所的な曲げ、ねじりをモデリングした。ライザー管の伸びはセグメントの軸方向の伸びで表現した。 多数のセグメントの系のラグランジュ関数を、各セグメントの変位のオイラー角を用いて表現し、ライザー管の運動方程式を導いた。この際、流体力は、セグメントに相対的な流体運動がセグメントの軸に直角な面内に生じる2次元的な流れであるとし、流体効力、付加質量の形であたえた。 ライザー管の上端に既知の上下揺、前後揺を与えたときのライザー管の運動、張力、曲げモーメント等を計算し、実験と比較した。上端に与える上下揺、前後揺れはライザー管を支持する海洋構造物の波浪中の運動をモデル化したものである。またこの状態のライザー管は、最も危険な状態とされるハング・オフ状態に対応している。 完成した計算コードを用い、ライザー管の挙動のシミュレーションを実施した。その結果 1)ライザー管の周期的上下揺にともない下端の前後揺が生じる。下端の前後揺は周期がはっきりしないカオス的な場合があり、その際上端の反力にも同様な傾向がみられる。 2)ライザー管が3次元的運動をするとき、その様子は非常に複雑である。 3)伸縮運動を考慮することによって曲げモーメントなど内力の時刻歴に高周波成分が現されることなどがわかった。 本計算コードを大水深用ライザー管の試設計を行った。この結果に基づいた本計算コードを用いた大水深用ライザー管の設計の方法論について現在とりまとめているところである。
|