1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555320
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
馬場 信弘 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (10198947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 裕介 大阪府立大学, 工学部, 助手 (10264805)
高松 健一郎 大阪府立大学, 工学部, 助手 (10081390)
姫野 洋司 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50081394)
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Keywords | 単一渦 / 渦伸張 / 渦度集中 / 渦構造 / 渦安定性 / 可視化実験 |
Research Abstract |
回転エネルギーを外部境界から与え,渦端部において渦軸方向の流量をコントロールして渦度集中と渦伸張をバランスさせるというアイデアに基づいて,小さい水槽内で定常な単一渦を発生・維持する装置を試作した.自然界では比較的小さいスケールの渦のタイプ,すなわち渦の直径よりその長さの方が大きい渦を対象とし,定常な単一の渦を発生させることを目的として製作に当たった. 一辺50cm,深さ40cmの正方形小型水槽内に直径30cm,高さ20cmの円筒形のアクリル製容器を固定し,この円筒の上に円筒の網目状スクリーンを置いて,これを外部のステップモーターによって回転させた.円筒の底に直径1cmの穴をあけ,底から小型ポンプによって円筒内の流体が吸い出すことによってスクリーンを通して流体は外部から円筒内に流入し,中心に吸い寄せられながら下降して中央底部の穴から流出するという循環システムを作った. まずナビエ・ストークス方程式に基づいたコンピュータシミュレーションによって孤立渦の計算を行い,渦を発生させるための流場の条件について調べた.その結果渦の発生とその後の渦構造の安定性にとってスクリーンの高さと回転速度,および循環させる流量を含む旋回率が重要なパラメーターであることがわかった. この計算結果に基づいて実際にこの装置を駆動させ,円筒内の流れを染料によって可視化した.循環システムの中でスクリーンを回転させると円周方向の速度成分が与えられた流体は中心に近づくに従ってその回転速度が増加し,容器の中心に単一の渦が形成されることが観察された.本装置によって本研究の目的は達成された.
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