1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555324
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松岡 功 東北大学, 工学部, 教授 (80005264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野澤 美樹 東北大学, 工学部, 助手 (60250718)
田路 和幸 東北大学, 工学部, 助教授 (10175474)
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Keywords | 石炭灰 / 水熱合成 / カオリナイト / 石英 / アルカリ処理 / 白色度 |
Research Abstract |
未燃炭素分や鉄分の除去を行った精製石炭灰に対して,水熱処理によるカオリナイトの合成を行った。本研究では製紙コーティング材料やセラミックとしての利用に適すると考えられる結晶度が低く白色度の高いカオリナイトの合成を目的として,最適条件の追求及び生成物のキャラクタリゼーションを行った。 (1)カオリナイト合成の最適条件 前年報告したとおり本研究では試料に共存する石英をアルカリ条件で水熱分解してのち,酸性条件での水熱処理を行った。化学分析から本試料ではAl成分が不足していると見積もられたので,水酸化アルミニウムの添加によりこれを補った。試料を0.1M塩酸に浸漬し,オートクレーブ中にて300℃,24時間の反応により,カオリナイトが生成した。試料の固体濃度,容器への充填率(反応応力),石炭灰中の不純物等が生成に及ぼす顕著な影響は見られなかった。 (2)生成物のキャラクタリゼーション 生成物の平均粒径は260nm,BET比表面積は79.6m^2/gと求められた。また生成物のXRD像からその結晶性は低いことがわかった。これらの特性は,製紙コーティングやセラミクス等への実用面からの要請を満たすものと考えられることができる。ただし,生成物のハンター白色度は63.7であり,代表的な天然カオリナイトの白色度が80以上であるのに対しかなり低いという問題があった。
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Research Products
(1 results)