Research Abstract |
アルゴンイオン・スパッタと熱アニールにより得られる清浄GaAs(100)(4×2)表面に対してAsセルからAs_4ビームを供給することにより表面ストイキオメトリィの異なる(4×6),(2×6),(2×4),c(4×4)再構成表面が得られることを低速電子線回折(LEED)により確認した。さらに,反射率差分光(RDS)スペクトルに現れる2.1および2.9eVのピークから,それぞれGaダイマーおよびAsダイマーの存在を確認した. これらの結果を基に,H_2,N_2分子をタングステン・フィラメントにより解離させた原子状のII,Nを表面再構成の異なる表面に照射し,GaAs表面の水素化および窒化過程を観察した.水素化の過程では,まずLEED観測によりダイマーに起因する2_×側の長周期が消失し,続いて4_×側の長周期構造が失われることを見いだした.さらに,RDSによってダイマー起因の信号が消失することが観測し,ダイマーの断裂が起こっていることを明らかにした.一方,窒化過程においては,LEED観測では,超周期の消失は,ダイマー方向と,それに垂直方向でほぼ同時に起こることを明らかにした.また,RDSによってダイマー起因の信号が消失することが観測し,ダイマーの断裂が起こっていること,さらに窒素吸着量の増大に伴い,Ga-Nのボンドの形成と関連すると考えられる3.6eV近傍の新たな信号を観測した.また,照射量に対する表面構造の変化とAESによる表面窒素の半定量分析から,N吸着が,As過多の表面と比較してGa過多の表面の法が,速く起こることを明らかにした.一方、窒化に起因する新たな長周期構造の形成は確認されなかった. 一方,遅れていた赤外波超可変レーザー光源および基板面内回転機構の整備をすすめ,基板回転機構の整備は完子し,表面二次高調波発生の結晶方位依存性の測定が可能となった.また,本年度末までにLiNbO_3を非線型結晶とする2〜4μmの波長域をカバーする赤外波長可変レーザー光源の運転が,開始できる見込みとなった.
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