1996 Fiscal Year Annual Research Report
光励起による電子励起イオン脱離法の定量性の確立の研究
Project/Area Number |
07555338
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Research Institution | TOYOTA TECHNOLOGICAL INSTITUTE |
Principal Investigator |
上田 一之 豊田工業大学, 大学院・工学研究所, 教授 (60029212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 文洋 豊田工業大学, 工学部, 教授 (20005953)
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Keywords | TOF-ESD / FTIR / 電子励起イオン脱離 / 水素吸着 / 水素吸着 / ロジウム / シリコン |
Research Abstract |
飛行時間型電子励起イオン脱離法(TOF-ESD)は簡単な装置構成であるが、固体表面上の水素検知が容易で高感度である。したがって、表面分析機器としての有用性が期待されている。しかし、脱離イオンの中性化確率がイオン種や表面状態によって大きく異なり、定量性が確立されていないために実用化が遅れている。このために、規定量の水素や酸素に対して脱離イオンの量を較正しておく必要がある。そこで水素の吸着量に対する、ESDイオンの収量の関係、脱離イオンのエネルギー分布の変化、及び、吸着酸素量に対するESDイオンの収量との関係を詳細に調べ定量性を確立する必要がある。 定量測定の精度を上げるために脱離粒子をレーザービームでイオン化して検知することを企画したが、本研究課題の期間中に紫外光パルスレーザーを購入できなかったので実施できなかった。そこで、フーリェ変換型の赤外分光器を用いて吸着種の振動スペクトル強度から定量化を実施することにした。超高真空装置に赤外用のZnSeの窓を用いて、真空型の分光器により1回反射のスペクトル測定を試みたが、金属表面については見通しがついたものの、Si表面については反射強度が非常に小さく、水素に対する吸収スペクトルを得ることはできなかった。そこでSi上水素に対してはElastic Recoil Detection Analysis(ERDA)の結果を参照にして定量を行い,水素検知感度の見積もりを行った。また、水素終端化によるエピタキシ-制御に成功し、懸案だった水素の2次元分布の測定の見通しがついた。
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[Publications] K.Murano: "Surfactant effect of hydrogen for nickel growth on Si(111)7×7 surface" Surface Science. 357. 910-916 (1996)
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[Publications] Kazuyuki Ueda: "Electron-stimulated desorption study of an atomic hydrogen-adsorbed FZ-Si(100)surface" Surface Science. 363. 337-341 (1996)
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[Publications] N.Kaneko: "Availability of Al-Mg Alloys for Use as Electrical Contact Resistors" IEEE Transactions on Components,Packing,and Manufacturing Technology. part A.19. 98-104 (1996)
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[Publications] F.Honda: "Tribochemical characterization of the lubrication film at the Si_3N_4/Si_3N_4 interface sliding in aqueous solutions" Applied Surface Science. 92. 651-655 (1996)
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[Publications] T.Saito: "Tribological Study of Chemical States of Protective Oxide Film Formed on Steel After Sliding in Humid Atmosphere and in Aqueous Solutions" American Soc. Mech.Eng.96-TRIB-46. 1-5 (1996)
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[Publications] 上田一之: "低速ナノフォーカスビームによる水素の局所分析" 真空. (印刷中).