1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555344
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Section | 試験 |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山崎 光悦 金沢大学, 工学部, 教授 (70110608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 政秀 大坂工業大学, 工学部・, 助教授 (70278563)
坂本 二郎 金沢大学, 工学部, 助手 (20205769)
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Keywords | 衝撃吸収 / 自動車車体 / 板殻構造 / 最適設計 / 衝撃圧潰 |
Research Abstract |
薄肉断面部材で構成される骨組と板殻の組立構造からなる自動車車体構造を対象に,その衝撃エネルギ吸収能を最大化するための具体的な設計法の開発と,それを用いた衝撃エネルギ吸収安全車体の開発,実験的検証を目的として研究を進め,以下の成果を得た. 1 衝撃エネルギ吸収車体最適構造の設計システムの開発……薄板殻組立構造の非線形衝撃応答構造解析プログラムを基礎に,薄肉断面部材の諸寸法,配置を設計変数として最大軸圧潰力,平均圧潰力,最大加速度などを制約条件に衝撃吸収エネルギを最大とする最適設計システムを開発し,実験計画法と分散分析法をもとに応答曲面を直接近似して効率的に設計解を求めることができることを円筒,角筒などの基本構造の軸圧潰問題に適用して確認した.その結果,体積一定とすると,円筒または角筒全体が一つの柱として全体座屈を発生する限界まで肉厚を増大,半径または一辺の辺長を減少させることでエネルギ吸収が最大の構造を得ることができることを確認した. 2 衝撃吸収安全車体構造の検討……1で開発した最適設計システムを基に,衝撃負荷に対する搭乗者位置での最大加速度,最大圧潰力,静的負荷に対する発生応力,重量などの制約条件下で,全衝撃エネルギ吸収能,荷重分散効果を目的関数とする車体主構造モデルの最適化を検討した.モデルの有効性,衝撃吸収能の高い構造の提案には実験的検討を含めてさらに詳細な解析,最適化による検討が必要である. 3 衝撃実験装置の改良と衝撃吸収能の実験的検討……昨年度,誘導モータによる加速により短距離で時速50km/h程度の衝突実験が可能な実験装置を試作したが,十分な衝突速度が得られなかったため,ゴムチューブによる加速装置に改良して所定の速度,最大30kgw程度の重量構造の衝撃圧潰試験が可能な装置を完成した.そして円筒,角筒などの基本構造部材の衝突試験を通して実験装置の基本性能を確認するとともに,昨年実施した非線形板殻構造衝撃接触有限要素解析による軸圧潰解析結果と比較して良い一致を示すことも確認した.また,衝撃吸収部材を組立てた車体基本構造モデルを用いた衝突実験を実施して衝撃力分散効果,吸収効果について検討したが,統一的な結果を得るまでには至っていない.今後,最適設計によって得られた結果を元に衝突実験を実施して最適設計の有効性を実際に確認する.
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Research Products
(1 results)