1995 Fiscal Year Annual Research Report
イオンビームミキシングプロセスによる高耐久性マイクロパ-ツの開発
Project/Area Number |
07555362
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松室 昭仁 名古屋大学, 工学部, 講師 (80173889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 剛 名古屋大学, 工学部, 講師 (30198262)
森 敏彦 名古屋大学, 工学部, 助教授 (90023340)
佐藤 一雄 名古屋大学, 工学部, 教授 (30262851)
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Keywords | マイクロパ-ツ / 硬質膜 / イオンビームミキシングプロセス / 機械的性質 |
Research Abstract |
マイクロマシンの実用化を目的に,シリコンで作製されたマイクロパ-ツに高強度硬質膜および超弾性薄膜を形成する.それと同時に界面にミキシング層を母材と薄膜の界面に形成し密着力の高い表面改質層を創製できるイオンビームミキシング法を適用して機械的強度,弾性だけでなく摩擦特性を含めた表面改質を行うものである.以下に得られた結果について列挙する. ・TiN薄膜 (1)結晶構造(相)の変化 Nイオンの加速エネルギーが1keVでは,TiN単相膜が形成され,20keVではN/Ti比の変化に従ってTiN単相→TiN+Ti_2N混相→Ti_2N単相と相変化した.40keVでは、TiN+Ti_2N混相→Ti_2N単相→TiN+Ti_2N混相と相変化した.また,配向性については1keVではN/Ti比を増加させると、結晶面の配向が(111)から(200)に変化した.さらに、20keV、40keVでは、加速エネルギーを増加させることで、非平衡相の出現とともに結晶の配向度は低下した. (2)機械的特性 本研究で得られたTi-N系膜の特性値は、TiN単相膜でビッカース硬度Hv=1580、縦弾性係数E=220GPa、摩擦係数μ=0.29であった.TiN+Ti_2N混相では、最高硬度Hv=2522、E=264GPa、μ=0.27であり、Ti_2N単相はHv=1985、E=223GPa、μ=0.26であった.スクラッチ試験による密着性の評価ではミキシング相の効果により最大測定範囲300mN以上の高密着力薄膜であることがわかった. ・C-N系,B-N系薄膜 (1)組成比C/N=2,照射エネルギー600eVでCとNの三重結合がFTIRおよびラマン分光法により観測され,ビッカース硬さ1600であった.また,摩擦係数は0.06で剥離も観測されず,高密着性・低摩擦薄膜であることがわかった. (2)Bスパッタ蒸着と加速電圧0.5kV〜1kVのNイオン照射によりc-BN成膜を試みたがh-BNのみの形成しか確認されなかった.今後基板温度などの制御の必要性があると考えられた.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Matsumuro: "Mechanical Propeties of Quasicrystalline Materials of Mg-Al-Zn Alloys Consolidated Using a High-Pressure Technique" Proc.of IMMM'95. 219-226 (1995)
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[Publications] K.Sato: "Fabrication of an electrostatic film actuator with an S-shaped film" Tech.Dig.of Transducers'95. 426-429 (1995)
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[Publications] 森 敏彦: "硬質膜の傾斜機能コーティング機構の解明" 機械学会論文集A編. 61. 2413-2420 (1995)
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[Publications] 中本 剛: "紫外線感光樹脂を使ったマスクパターン転写法とビーム描画法によるマイクロ部品の作製" 高分子論文集. 53(印刷中). (1996)