1996 Fiscal Year Annual Research Report
オングストロームの分解能を持つ超精密位置決めシステムの開発
Project/Area Number |
07555375
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
水本 洋 鳥取大学, 工学部, 教授 (80108795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上 芳啓 不二越, 技術開発部, 研究員
清水 龍人 不二越, 技術開発部, 研究員
有井 士郎 鳥取大学, 工学部, 助教授 (80222751)
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Keywords | 位置決め / 工作機械 / ダイヤモンド切削 / 超精密工作機械 / ナノテクノロジ / 摩擦駆動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、超LSIや精密光学素子などの製造、あるいは基礎物理学の研究や新素材開発などでの物質の観察に必要となる超精密加工・計測技術の発展に対する社会的要求を満たせる、次世代の超精密位置決め技術を提供することであった。この目的を達成するために昨年度は研究代表者らが開発した「ツイストローラ摩擦駆動装置」を組み込んだX,Z2軸の超精密位置決めシステムを製作してその位置決め性能を評価した。引き続き本年度はこの位置決め装置を用いて以下の研究を行った。 (1)切削実験用工作機械の設計・製作:被削材を取り付ける空気静圧スピンドルを新たに購入し、平成7年度に製作した2軸位置決めシステムのX軸テーブルに搭載した。一方、Z軸テーブルには新たに製作した工具台を取り付けた。各テーブル位置をレーザスケールによりモニターし、DSPにフィードバックして駆動モータを制御することで超精密数値制御工作機械を完成させた。 (2)ダイヤモンドバイトによる切削実験:上記の工作機械の工具台にダイヤモンドバイトを取り付け、一方空気スピンドルにアルミニウムの被削材を取り付けて、X,Zの各軸を制御することで被削材面を切削したところ、鏡面の切削面が得られた。切削面の表面あらさ、平面度などを測定したところ、10nmオーダの表面あらさと0.1μmオーダの平面度が得られていることを確認した。位置決め装置の分解能に比べて平面度が低いのは、案内装置の案内精度が不十分であったためと考えられる。 (4)位置決めシステムの総合評価:昨年度の研究と合わせて、本研究で試作したツイストローラ摩擦駆動装置を用いた超精密位置決めシステムの実用性を評価した。その結果、位置決めにおける分解能はオングストロームオーダであること、切削装置としたときの加工精度は0.1μmであることなどより、案内装置の案内精度などを改善することで、本システムが次世代の超精密位置決めシステムとして使用可能であると判断できる。
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