1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555377
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
山口 惇 横浜国立大学, 工学部, 教授 (40017885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 新平 (株)荏原総合研究所, 技術開発研究所, 室長研究員
汪 雄鷹 横浜国立大学, 工学部, 助手 (00262410)
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Keywords | ピストン・ポンプ・モータ / 清水 / 水道水 / しゅう動部材 / 静圧軸受機構 / 設計理論 |
Research Abstract |
比較的大動力の伝動システムとして、制御特性に優れた油圧駆動が広く採用されている。しかしながら、石油系作動油を作動流体とするため、火災危険性、作業環境や廃油処理の問題がある。本研究は、清水(水道水)を採用して、油圧システムの特徴を保持しながら、これらの問題を解決し、人間ならびに地球に優しい液圧システム、すなわち水圧システムの確立を目的とする。低粘度で防錆性に劣る液体であるため、水圧システム開拓上の最大課題は、エネルギー変換を司るポンプ・モータにある。 このため、使用圧力14MPa、押しのけ容積15cc/rev、回転数3000rpmのピストンポンプ・モータの開発を選定した。研究経費を合理的に使用するため、市販のポンプ・モータを基本として、清水を用いること、ならびにモータ作動時の低速特性を重視し、しゅう動部に流体潤滑の実現を図ることとした。 具体的には、弁板-シリンダブロック間しゅう動部について、流体膜形状を定める運動方程式を解き、弁板上に設ける静圧パッドの寸法を、あるいは、ピストン-シリンダボア間の損失を低減するピストン寸法を理論的に決定した。特に、静圧軸受部に設ける絞りは小径となるため、加工上の困難さから、数種につき検討し最終的にオリフィス絞りとした。 上記設計に基づき製作されたポンプ・モータを、ポンプとして圧力14MPa、回転数1500rpm以下で性能実験を実施した。最高効率は81%であり、このとき容積効率は92%、機械効率88%であり、予測値を下回った。この原因は、静圧軸受部の絞りの加工精度にあると考えられる。金属以外の材料に対する加工精度の向上、ならびに寸法許容差の大きい静圧軸受の開発を進める要がある。
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