1995 Fiscal Year Annual Research Report
球状セラミックス充てん層による溶融石炭スラグ微粒子の高温除去
Project/Area Number |
07555385
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉川 邦夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (70134848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 宏司 (株)ニッカトー, 技術本部研究開発部研究開発課, 課長
末包 哲也 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (30262314)
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Keywords | 石炭灰 / スラグ / 充てん層 / セラミックス球 / 高温フィルター |
Research Abstract |
本年度は、溶融した石炭灰を含有する燃焼ガスが生成できる溶射燃焼器を購入し、石炭灰溶射試験を実施すると共に、球状セラミックス充填層を製作し、溶融石炭灰微粒子の捕獲試験を試みた。 溶射燃焼器の特性については、都市ガス(天然ガス)を燃料とする酸素燃焼で良好な火災が得られ、付属する粉体供給装置から大同炭のフライアッシュを供給してみたところ、フライアッシュの目詰り等はなく、良好な粉体供給が行えるとともに、長さ約20cmの火炎中で溶融し、予定通り、溶融石炭灰微粒子を含有する燃焼ガスが得られることが示された。 次に、球状セラミックス充填層については、溶融石炭灰微粒子捕獲部には直径30mmのイットリア安定化ジルコニアペブルを充填し、燃焼ガスと捕獲された溶融石炭灰を分離する気液分離部には直径50mmの高純度アルミナペブルを充填し、充填層の炉壁は、アルミナ系のボ-トで構成した。まず、石炭灰を投入せずに、燃焼ガスで充填層を加熱する加熱試験を実施し、約10時間ほどで、溶融石炭灰捕獲部温度1700℃、気液分離部温度1450℃に達した。電気炉を用いた溶解試験で、大同炭のフライアッシュの融点が約1350℃であることが確認できているため、上記の温度までの加熱が行えれば、充填層内で石炭灰を溶融状態に維持できると判断された。そこで、500g/時間の投入量で、約2時間フライアッシュを燃焼ガス中に投入する試験を実施したところ、予想通り捕獲部でその大部分が捕獲でき、充填層を通り抜けるフライアッシュ量は微量であることが確認できた。 来年度は、より大量のフライアッシュを投入して、捕獲した溶融石炭灰を連続的に抽出できることを確認し、合わせて捕獲効率等のフィルターとしての定量的評価を行う。また、セラミックス球材料が、溶融石炭灰によってどの程度の腐食を受けるかの評価も行う。
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