1996 Fiscal Year Annual Research Report
大型超伝導マグネット用冷凍機の冷却シミュレーション
Project/Area Number |
07555391
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Section | 試験 |
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
佐藤 定男 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (20235344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深野 隆 日本酸素(株), 部長
前川 龍司 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (80280600)
岩本 晃史 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00260050)
山田 修一 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (50249968)
三戸 利行 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (10166069)
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Keywords | 超伝導マグネット / ヘリウム冷凍機 / 冷却シミュレーション / ヘリウム冷却システム / 熱負荷特性 / 液体ヘリウム / 超臨界ヘリウム / クライオスタット |
Research Abstract |
本研究で、開発しようとする試験方法は熱負荷模擬クライオスタット内臓のヒーター等を用いて実際の超伝導マグネットシステムの各種運転時の熱負荷を模擬させて冷凍機を運転するものである。本研究で使用する大型ヘリウム冷凍機は、その冷凍能力ならびに冷凍効率共に世界最高水準の能力を有し本研究に最も敵するものである。従って本研究の結果取得される知見ならびに成果は低温工学、超伝導工学等の工学的応用開発の分野に広く貢献・寄与すると共に、提案者らが現に携わる磁場閉じ込め核融合実験装置の完成後の運用において、装置の稼働信頼性と運用能率を飛躍的に改善・向上する可能性を多大に内包するもので本研究の意義は極めて高いもののである。 平成7年度における研究の結果、冷凍機と熱負荷模擬クライオスタットとの間に密度波熱振動と判断される現象が、ある特定の運転モードにおいて観測された。この現象は従来、熱交換器を含むシステムに発生する可能性が指摘されている。しかし、実際のシステムにおける実例が公表される例は少ない。平成8年度の研究内容はこの現象の解明と安定な運転制御方法の探究を目的として計画された。すなわち、(1)平成7年度に観測された密度波振動の発生機序をさらに詳細に観測すると共に、(2)冷凍機と模擬熱負荷クライオスタット相互間で質量の移送に基ずく密度波の直接結合を遮断しかつ冷媒移送配管中への熱侵入量を極力低減するために当該配管を高性能化したそして(3)模擬熱負荷クライオスタットの遠隔制御運転をより徹底させる計算機プログラムを作成し、これを冷凍機の運転と連動させる作業を行った。このようにして運転を行った結果、密度波振動を抑制することが出来た。さらに冷却対象を300Kから4.4Kへと最初に冷却する際、冷凍機側の複数個の圧力、温度流量等の制御弁が循環圧縮機と直列に閉回路を構成するときにシステム振動を起こす事、制御弁の制御常数の最適化と回路内への位相変調容積の設置が重要であることを見い出した。今後、この現象を理論的に体系化すること、および冷却重量が一千トンにおよぶ実際の超伝導マグネット群を初期冷却するための制御アルゴリズムについて研究を進める。
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Research Products
(1 results)