1997 Fiscal Year Annual Research Report
ニューラルネットワークを用いた柔らかいトライポセンサの開発
Project/Area Number |
07555392
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
長南 征二 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20005424)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江 鐘偉 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60225357)
森 和男 機械技術研究所, 研究課長
谷 順二 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30006192)
|
Keywords | トライボセンサ / 高分子圧電フィルム / 柔軟触覚センサ / FEM解析 / SDPイメージ図示法 / ウェブレット解析 / 触診プローブ |
Research Abstract |
本研究は現在までに開発されている硬い「トライボセンサ」を発展させ,人間の指や掌のような柔らかいインテリジェントトライボセンサの開発を試みたものである。本センサの開発にあたり,はじめに柔軟材であるゴムやスポンジ-ゴムなどの表面及び内部に複数の圧電フィルムを埋め込んだセンサモデルにつき大型計算機を用いてFEM解析し,センサ表面に加わる荷重に対し圧電フィルム層の歪み・応力分布を求めた。結果より,センサ母材の硬さは計測する対象物の硬さよりやや高めに選べるとセンサの出力が大きく得られることが分かり,これに基づき高分子圧電フィルムをゴムやスポンジ-ゴムなどの柔らかい機能性材料と組み合わせて柔軟触覚センサを製作した。さらに,人間の指紋の役割を考慮し,ゴム突起物やガ-ゼ,ダイヤモンド砥石などで構成されたシートを保護膜の役割も兼ねてをセンサの表面に積み重ね,センサの出力感度と安定性の向上を図った。次に対象物として紙類や布,人間の皮膚などに対して試作したセンサを動かして計測を行い,本センサの有効性を確認した。センサの出力電圧信号に含まれる対象面の性質に関する情報を抽出するため,定性的な評価方法としてSDP(Symmetric Dot Pattern)法によるイメージ図示法と,ウェブレットやFFT解析法による量的な評価法を導入した。最後に,本研究で開発センサを改良し,前立腺肥大症や前立腺癌の診断用触診プローブへ応用し,本センサの実用化を図った。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 金 永〓, 長南征二, 江 鐘偉, 田中真美, 廣瀬太一: "小型ソフトハンドリンググリッパを用いたアクティブセンシングの研究(把持対象物の計測同定)" 日本AEM学会誌. (印刷中).
-
[Publications] 金 永〓, 長南征二, 江 鐘偉: "圧電素子で駆動される小型把持機構を用いたアクティブセンシングの研究(柔軟微小対象物の質量と剛性の同定)" 日本機械学会論文集. (印刷中).
-
[Publications] 田中真美, 長南征二, 江 鐘偉, 疋田智弘: "触覚感覚計測(人間の触感とAEセンサ出力の対比)" 日本AEM学会誌. 5・3. 28-34 (1997)
-
[Publications] 江 鐘偉, 長南征二, 棚橋善克, 菅 洋輔: "前立腺硬さ計測用センサシステムの開発" 日本AEM学会誌. 4・3. 23-28 (1996)
-
[Publications] S.Chonan, Z.W.Jiang, M.Tanaka, Y.Suga and Y.Tanahashi: "Palpation Probe for Detecting Prostatice Cancer and Hypertrophy" Proceedings of the 2nd Asian Control Conference. III. 183-184 (1997)
-
[Publications] 長南征二, 江 鐘偉, 森 和男, 宗片陽一: "ニューラルネットワークを用いたトライボセンサシステムの開発(セラミック圧電体を用いたトライボセンサ)" 日本機械学会論文集. 61・587. 2996-3003 (1995)