1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 豊 岡山大学, 工学部, 教授 (80032944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五福 明夫 岡山大学, 工学部, 助教授 (20170475)
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Keywords | メカトロニクス / ロボット工学 / ERFポンプ / アクチュエータ / 油圧装置 / 粘性流体 / 人工筋肉 / 医工学 |
Research Abstract |
1. ER流体の応答性に関する研究は数少ない.ここでは,先に開発した任意圧力を得るアクチュエータについて,その応答性の改善の可否を調べるため,ER流体の分散濃度,2重円筒電極の間隔,電場強さ,供給圧力が圧力応答性に与える影響について調べた.併せて,分散濃度と電場により誘起されるせん断応力の関係について調べた.その結果,分散濃度と電場強さを増加させると応答特性をわずかに改善できること,電場と濃度を高くするとせん断応力は電場と濃度の自乗に比例する関係から1次比例関係に変化することが知られた. 2. 電気粘性流体の電圧を印加すると見かけの粘性が変化するという電気的特性を有効に利用した新しいポンプを開発した.このポンプは単純な流路系からなるが,比較的大きな分散質径の粒子を含み,粘度の大きな電気粘性流体を圧送することが可能である.ポンプの原理,構成とともに,その理論解析方法を表した.実現される流量,圧力,栓流領域の変化などポンプの特性について調べた.この方法はポンプとしての利用とともにせん断応力,粘度などの物性値測定にも有効であることを示した. 3. これまで開発されてきた人工指の欠点は,人間の指と異なり触覚機能がないことと,柔軟なだけで内部に骨に対応する構造がないためにねじれ剛性に欠け,物体を把持する際にねじれが生じ,指の動きと直角方向すなわち物体表面の接線方向に指が逃げることであった.本研究はこれらの人工指の欠点を補うべく,人工指に触覚機能とねじれ剛性を賦与させて人間の指に近い機能を持たせるとともに,改良した人工指と多関節ロボットを組み合わせ,物体を把持し移動させることの可能な物体ハンドリングシステムを製作した.そして,このシステムがロボットハンドとしてどの程度効果的に利用できるかをいくつかの物体把持実験により検討した.得られた結果を要約すると次のようになる. 1.アクチュエータ内部に骨格部分としての補強材を挿入することでロボットの指としての性能が向上した.すなわち,物体を把持する際にねじれが生じ,指の動きと直角方向すなわち物体表面の接線方向に指が逃げるという柔軟性ゴムを使用した人工指特有の欠点を緩和できた. 2.ひずみゲージおよびコイル型触覚素子を使用することで指先が物体に触れたことの検出と把持力の推定が可能となった. 3.コイル型触覚素子による把持する物体のおおよその外径を判断できた. 4. ロボットハンドの目となる視覚装置について多色物体までの距離を実時間で得る距離画像取得装置を開発し,その応用の手始めとして盲人用視覚装置としての利用を考えた.
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[Publications] Yutaka TANAKA, Akio GOFUKU: "Development of a Tactile Sensing Flexible Actuator" Proc. of 4th Internat. Workshop on Advanced Motion Control. Vol.1. (1996)
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[Publications] 田中 豊,五福明夫: "人工筋肉駆動用ER流体アクチュエータの応答性に関する研究" 日本機械学会中国四国支部講演会講演論文集. No.955-2. 227-228 (1995)
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[Publications] 田中 豊,五福明夫: "電気粘性流体ポンプの開発" 日本機械学会中国四国支部講演会講演論文集. No.955-2. 243-244 (1995)
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[Publications] 田中 豊,五福明夫: "噴流刺激による盲人用視覚補助装置の開発" 日本機械学会論文集(C編). 61巻591号. 4423-4428 (1995)
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[Publications] 田中 豊,五福明夫: "ステレオカメラからのRGB信号を用いた実時間距離取得装置の開発" 日本機械学会論文集(C編). 62巻594号(印刷中). (1996)