シリコンを基板とする高温超伝導ミリ波サブミリ波帯検出器

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07555410
• Research Category: Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 中島 健介 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (70198084)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 明連 広昭 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20219827) ; 陳 健 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (90241588) ; 山下 努 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (30006259)
• Keywords: 高温超伝導 / ジョセフソン接合 / 粒界接合 / 高周波 / シリコン

Research Abstract

本研究は、シリコン単結晶を基板とするYBCO高温超伝導体薄膜を用いたミリ波サブミリ波帯の電磁波検出器の開発を目的とする。具体的には、先ずシリコン基板上に成膜したYBCO薄膜を用い、YBCO単一ジョセフソン接合を含む高周波回路を製作する。ここでシリコン単結晶基板を用いることは、高周波特性の面からだけでなく、ミリ波サブミリ波のような短波長域の高周波回路を製作する上で必要となる基板の薄板化や微細加工に異方性エッチングなどのこれまでに開発されているマイクロ・マシニング技術を利用出来るという利点もある。
平成7年度は、今年度導入した遠赤外線レーザ装置を用いてシリコンバイクリスタル基板上に作製したYBCOバイクリスタルジョセフソンデバイスのサブミリ波応答特性を測定した。これまで報告されているYBCOジョセフソン接合の応答周波数上限(入射周波数)は約0.9THzであったのに対し、本研究ではデバイス温度25Kにおいて最高1.81THzの電磁波に対する明瞭な応答を確認した。応答周波数を向上させた要因としてはシリコン基板の持つ当該周波数領域での低損失性に加え電磁波集中に必要な超半球レンズにも高抵抗シリコンを用いるなどの改善の効果であると考えられる。この結果に関しては現在投稿準備中である。これに併せて現在テラヘルツ帯電磁波のヘテロダインミキシングシステムを構築中であり、平成8年度以降は、本年度得られた知見を基にYBCOジョセフソンミキシングデバイスの開発、評価を行う。

Research Products

• [Publications] S. J. Kim, H. Myoten, J. Chen, K. Nakajima and T. Yamashita: "Successful fabrication of bicrystal Si Substrates for YBa_2Cu_3O_<T-Y> Josephson junctions" Cryogenics. 35. 901-903 (1995)
• [Publications] G. Oya, C. C. Diao, K. Nakajima et al: "Atomic oxygen effect on the in situ growth of stoichiometric YBCO epitaxial films by facing targets off axis magnetron sputtering" J. Appl. Phys. 77. 5809-5818 (1995)