1995 Fiscal Year Annual Research Report
p型ZnS結晶の育成と紫外超格子LED,LDの実用化
Project/Area Number |
07555415
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田口 常正 山口大学, 工学部, 教授 (90101279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井田 敏昭 昭和電工, 秩父研究所, 研究長(研究職)
山田 陽一 山口大学, 工学部, 助手 (00251033)
甲斐 綾子 山口大学, 工学部, 講師 (50253167)
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Keywords | 紫外レーザダイオード / 紫外発光ダイオード / 硫化亜鉛 / p型伝導制御 / 量子井戸 / 超格子 |
Research Abstract |
硫化亜鉛(ZnS)はワイドギャップII-VI族化合物半導体の中でも最も大きなバンドギャップエネルギーを有し、かつ、直接遷移型のバンド構造を有する半導体材料である。そのバンドギャップエネルギーは室温において約3.7eVであることから、紫外から可視短波長領域をカバーする光電子デバイスへの応用が期待されている。本研究では、減圧MOCVD法によりZnSエピタキシャル薄膜の成長を行い、n型及びp型伝導制御を達成することにより、紫外発光ダイオード(LED)、紫外レーザダイオード(LD)の開発を目指して実験的研究を進めてきた。伝導型制御、特にこれまで達成されていないp型ZnS結晶を育成するためには、残留不純物等によるキャリアの補償効果を抑制し、高品質なZnSエピタキシャル薄膜を育成する必要がある。今回我々は、原料ガスの純度の向上を計り、これまでにない高品質なZnS薄膜の成長条件の最適化を確立した。得られたZnS薄膜の低温かつ弱励起下における発光スペクトルには、自由励起子発光線が支配的に現れており、ZnS特有のSA発光が非常に弱く抑えられていることがわかった。この結果は、得られたZnS薄膜が、Zn空孔及びドナー性不純物の濃度が低く抑えられた高純度なものであることを示している。この最適条件下において、n型ドーパントとしてヨウ化エチル(C_2H_5I)を用いてヨウ素ドナーの添加を試みたところ、10^<19>cm^<-3>台の電子濃度を有する高濃度n型ZnS結晶の育成に成功した。一方、p型伝導制御に関しては、p型ドーパントとしてアミン系原料(トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノメチルアミン)を用いて窒素アクセプターの添加を試みたが、現段階ではp型ZnS結晶の育成には至っていない。
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Research Products
(1 results)