1996 Fiscal Year Annual Research Report
非弾性地震応答性状を考慮した鋼変断面ラーメン部材の断面構成法の開発
Project/Area Number |
07555442
|
Research Institution | Daido Institute of Technology |
Principal Investigator |
事口 壽男 大同工業大学, 工学部, 教授 (60047305)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波田野 英明 中日本建設コンサルタント(株), 設計部, 課長
水澤 富作 大同工業大学, 工学部, 教授 (60113081)
酒造 敏廣 大同工業大学, 工学部, 助教授 (90137175)
|
Keywords | 変断面 / ラーメン橋脚 / 隅角部 / 地震応答 / 非弾性 / 崩壊モード / 断面構成 |
Research Abstract |
平成7年度〜8年度の2年間に実施した鋼製ラーメンの非弾性応答実験と非弾性人応答解析を通じて,耐震面から見た変断面ラーメン部材の断面構成法について基本的な考えを示し,今後の検討課題をまとめた. 1.変断面構造の柱と隅角部について (1)累積塑性ひずみと履歴エネルギー分担という点から,隅角部腹板と柱基部で塑性変形が生じるような破壊漏モードが耐震上有利である. (2)ラーメン部材の設計の際に,地震時の崩壊モードの照査を容易にするため,柱の構成断面と隅角部の抵抗断面力をもとにしたパラメーターを示した. 2.変断面構造のはりと隅角部において (1)変断面はりと隅角部の腹板の塑性可塑性を関連づける簡便なパラメーターを導いた. (2)このパラメーターを用いることにより,はり中央腹板のせん断降伏を判定できることを示した. (3)鋼製橋脚の実績調査結果から,このパラメーターの実績を調べ,はり中央の腹板の塑性化が起こる場合がかなりあることを確かめた。 (4)兵庫県南部地震で見られたラーメンはり部材中央のせん断崩壊は,変断面はりの腹板の降伏が隅角部よりも先行して生じた可能性が高いことを指摘した. (5)はり中央の腹板よりも隅角部腹板で履歴エネルギーを消費させる崩壊モードが耐震上有利である. 3.今後の課題 ラーメンの崩壊モードに影響を及ぼす材料強度のばらつきを把握することが重要である.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 酒造敏廣,事口壽男,長田好夫: "鋼変断面ラーメンの非弾性地震応答性状と崩壊モードに関する研究" 構造工学論文集,土木学会. 43. (1997)
-
[Publications] Miki,T.Kotoguchi,H.and Osada,Y.: "Inelastic Earthquake Resoponse of Steel Portal Frames with Shear Collapes at Center of Beam" Proc.of Second International Conference,'97,August,1997,Kyoto,Jaon (to be published).
-
[Publications] 酒造敏廣,長田好夫: "鋼変断面ラーメンの非弾性地震応答性状と断面構成法に関する研究" 第23回地震工学研究発表会・講演概要,土木学会. 469-472 (1996)
-
[Publications] 長田好夫,西澤功典,酒造敏廣,事口壽男,水澤富作: "はりのせん断崩壊を伴った門形弾性地震応答に関する研究" 土木学会中央支部 平成7年度研究発表会・講演概要集,I-55. (1996)
-
[Publications] 長田好夫,酒造敏廣,事口壽男: "はり中央腹部の塑性せん断変形を伴う鋼変断面ラーメンの地震応答と損傷メカニズム" 土木学会第51回土木学会年次学術講演会・講演概要集,I-A67. (1996)
-
[Publications] 酒造敏廣,事口壽男,長田好夫: "繰り返し水平力を受ける鋼変断面ラーメンの非弾性応答実験" 土木学会中央支部,平成8年度研究発表会・講演概要集. (1997)