1995 Fiscal Year Annual Research Report
嫌気性流動層バイオリアクターシステムによる下・廃水の高度処理
Project/Area Number |
07555459
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 達雄 北海道大学, 工学部, 助教授 (10029291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱口 利男 月島機械(株), プラント技術部, 部長
小林 三樹 北海道大学, 工学部, 助教授 (90001221)
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Keywords | 高度処理システム / 嫌気性流動層バイオリアクタ / 接触曝気槽 / 凝集剤 / 下水の造粒化 / リン除去 / 硝化・脱窒 / 負荷量 |
Research Abstract |
高効率の固液分離機能と生物学的処理機能を有している嫌気性流動層バイオリアクター(AFPBバイオリアクター)を好気性生物処理槽の前段に設置した下水の高度処理システムを提案し、そのシステムによって廃水中のSS、BOD、窒素およびリン成分などの汚濁成分が効率よく処理されるための条件を確立することを目的として研究を行った。その結果、 1.微量の無機凝集剤(PAC)と高分子凝集剤(弱アニオン系ポリマー)を併用すると、下・廃水中のSS、コロイド、リン化合物などを造粒化することができた。 2.下水の造粒化には凝集剤による物理的作用に加えて、糸状性細菌や球菌など生物学的フロック形成機構が働き、沈降性の良い高密度フロックが形成された。 3.下水造粒汚泥には脱窒菌、硫酸塩還元菌、メタン生成菌などが生息し、極めて生物活性の高い汚泥であった。 4.好気性生物処理槽(バイオコードを充填した接触曝気槽)では溶解性BOD成分の酸化分解と硝化が高速度で達成された。硝化液をAFPBバイオリアクターへ循環させると、造粒汚泥中に生息する脱窒菌によって窒素除去を行うことができた。 5.造粒汚泥中の脱窒菌数は10^7個/ml以上生息し、水温10℃においても1.5mgN/gMLSS・hという高い脱窒活性を示した。また接触曝気槽での硝化菌数は約10^7個/ml生息し、その硝化活性は約1mgN/gMLSS・hであった。 6.本処理システムは硝化液循環方式を採用しているので、処理水中に約5mg/l程度のNO^-_3-Nが残留するが、造粒汚泥を炭素源とする第二脱窒槽を付設すると約1mg/l以下にまで処理され、その除去率は96〜98%に達した。 7.AFPBバイオリアクターで生成される下水造粒汚泥は脱窒のための良好な炭素源であり、造粒汚泥のBOD減少量と脱窒量との比は3.5であった。また、造粒汚泥のCOD_<Cr>成分の約50%が脱窒のための炭素源として利用できることが判った。 結論として全滞留時間約5時間という短い滞留時間で下・廃水の高度処理としての機能を発揮させることができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shimizu, T: "An Anaerobic Fluidized Pellet Bed Bioreactor Process for Simultanous Removal Organic, Nitrogenous and Phosphorus Sabstances." Water Resarch. 28. 1934-1952 (1994)
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[Publications] 清水達雄: "科学凝集嫌気性流動層バイオリアクターによる下水の高度処理" ケミカルエンジニアリング. 39. 467-472 (1994)
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[Publications] 清水達雄: "流動層バイオリアクターによるSS、COD、窒素およびリン除去" 水環境学会誌. 18. 74-83 (1995)
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[Publications] 清水達雄: "嫌気性ペレット流動層バイオリアクターシステムによる有機物・窒素およびリン同時除去" 水. 37. 70-76 (1995)
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[Publications] 濱口利男: "化学凝集バイオリアクターシステムによる返流水の窒素・リン除去" PPM. 26. 42-47 (1995)
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[Publications] 清水達雄: "嫌気性流動層造粒バイオリアクターを用いた高度下水処理システム-処理効率に及ぼす負荷変動の影響-" 日本水処理生物学会誌. 31. 193-201 (1995)