1996 Fiscal Year Annual Research Report
災害救助機能を備えた下水道システムの設計方法に関する研究
Project/Area Number |
07555462
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
北沢 智 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (10206914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 孝明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30251375)
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Keywords | 水利用 / 防災 / 下水道 / 雨水 / 高度処理 |
Research Abstract |
本研究においては、大都市における下水道システムの計画設計に、地震災害時の救援機能を付加させることを目的として、以下の項目について調査研究を行った。 (1)都市内部における大規模災害時の必要水量、および防災用水の潜在的供給可能量に関する調査 本研究では阪神大震災時の水使用量を資料により取りまとめるとともに、防災用水、生活用水、飲料水(生命維持用水)のカテゴリーに分けて、火災規模当たり、または被災者一人当たりの必要用水の原単位を算出した。 (2)雨水ならびに下水の防災利用に関する研究 川崎市加瀬環境センターおよび東京都下水道局落合処理場において、下水施設の防災利用方法の現状についてヒアリングを行った結果、避難場所として、また、高度処理下水を非常時に利用する利点が確認された。しかし、下水処理施設等への避難経路の確保、下水処理施設の防災化、下水処理技術の高度化、下水処理水配給網の整備などが緊急の課題であることが示された。 (3)東京都足立区を対象とした震災時の水利用データベースの構築とシミュレーションモデルの開発 シミュレーションの結果、上水道による供給が一時的に完全停止した場合、一人一日当たりの飲料水量を3L,生活用水量を25Lとすると、足立区の人口の33%が一日以内に飲料水の不足にあい、73%が一日以内に生活用水の不足に見舞われることが示された。 (4)雨水並びに下水の高度処理技術の開発 雨水や下水処理水を被災時の緊急用途に利用することを想定し、膜濾過と紫外線殺菌装置を組み合わせた簡易で高速な処理技術を開発した。膜透過水からは大腸菌は検出されず、非常用水として飲用を除く用途に下水処理水が利用可能であることを確認した。 (5)防災施設としての下水道施設の設計手法に関する研究 東京都足立区内の下水道施設を対象に、上記の高度処理施設の付加と、防災目的にそった改築方法について検討した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Satoshi Takizawa et al.: "Membrane fouling decrease by microfiltration with ozone scrubbing" DESALINATION. vol.106. 423-426 (1996)
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[Publications] Y.Kaiya and S.Takizawa: "Study on fouling materials in the membrane treatment process for potable water" DESALINATION. vol.106. 71-77 (1996)