1995 Fiscal Year Annual Research Report
硫酸塩還元菌と硫黄脱窒菌を利用した新しい廃水処理技術の開発
Project/Area Number |
07555463
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
池本 良子 金沢大学, 工学部, 講師 (40159223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 三郎 京都大学, 工学部, 教授 (90092808)
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Keywords | 脱窒 / 硫黄脱窒 / 硫酸塩還元 / 栄養塩処除 |
Research Abstract |
硫酸塩還元細菌と硫黄脱窒細菌を利用した新しい廃水処理法の開発を目的として、発砲ポリプロピレン単体を充填した上向流生物ろ過装置を作成し、硫酸塩還元槽、硫黄脱窒槽の単独運転を行った結果、両槽にそれぞれの細菌を短期間で集積することが可能であった。次に、両槽を接続して運転を行った結果、硫酸塩還元槽では硫酸塩還元に伴い蛋白質の分解と酢酸の生成が行われ、硫黄脱窒槽では有機性脱窒と硫黄脱窒が同時に起こり、処理水の窒素はほぼ0、TOCは20以下の良好な処理水を得ることが可能であった。両槽の生物を採取して回分実験を行うことにより、両槽に生育する微生物の相について検討を行ったところ、硫酸塩還元槽内に生育した硫酸塩還元細菌は蛋白質からの酢酸生成に関与していることが明らとなった。硫黄脱窒槽では、硫黄脱窒細菌と有機性脱窒細菌が共存していたが脱窒速度は有機性脱窒細菌の方が約10倍速かった。また、硫酸塩還元細菌も硫黄脱窒槽に共存しており、その活性は硫酸塩還元槽と同程度であった。硫黄脱窒槽内で硫黄の酸化還元のサイクルが形成されていると考えられた。 以上のことから、硫酸塩還元槽で硫酸塩還元にともなって有機物を低分子化し、脱窒槽で硫黄脱窒と有機脱窒を行うことによって、効率的な窒素除去が可能であることが明らかとなった。
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[Publications] 池本良子 他4名: "硫酸塩還元細菌と硫黄脱窒細菌を組み合わせた窒素除去に関する研究" 土木学会中部支部研究発表会講演概要集. 325-326 (1996)
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[Publications] 池本良子 他2名: "実下水処理場活性汚泥における硫酸塩還元細菌とpoly P蓄積細菌の相互作用" 第30回日本水環境学会年会講演集. 30. 284-284 (1996)
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[Publications] 池本良子・小森友明・松井三郎: "酢酸とペプトンで馴養した活性汚泥における硫酸塩還元細菌とpoly-P蓄積細菌およびType 021Nの相互作用" 環境工学研究論文集. 32. 321-327 (1995)