1995 Fiscal Year Annual Research Report
粒子充填によらない新規無機系クロマトグラフィー材料の開発
Project/Area Number |
07555480
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
曾我 直弘 京都大学, 工学研究科, 教授 (80026179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信男 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60127165)
中西 和樹 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00188989)
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Keywords | シリカゲル / ゾル-ゲル法 / 細孔構造 / 液体クロマトグラフィー / カラム / 理論段高 |
Research Abstract |
平均分子量10,000のポリエチレンオキシドの共存下で、酢酸を触媒として用いてテトラメトキシシランを加水分解し、約2μmの連続貫通マクロ孔をもつ湿潤ゲルを得た。ポリエチレンオキシドの濃度を変えることによって、異なる中心径と気孔率のマクロ孔構造を得ることができた。このゲルを湿潤状態で様々な濃度のアンモニア水溶液に浸漬し、その後600℃で2時間熱処理したところ、マクロ孔を形成する骨格内に中心細孔径5〜20nmの鋭い分布を持つメゾ細孔を形成することができた。 得られた円柱状ゲルの側面に耐圧性樹脂を付け、流動シランカップリング法によってゲルの内部表面の化学修飾を行った結果、ほぼ完全にゲルの内部表面を疎水化することができた。両端に液体クロマトグラフィー装置への接続部品を取り付け、サイズ排除クロマトグラフィーを行ったところ、市販の充填型カラムとほぼ同様な流動特性を示し、二重細孔構造が維持されていることが確認された。 得られた一体型カラムを用いて、アルキルベンゼン類の分離を行ったところ、マクロ孔の平均直径1.6μmの一体型カラムは、5μm径粒子充填型カラムの半分以下の負荷圧によって同等の試料流速が得られ、低流速時の理論段高は両者でほぼ同等、高流速時には一体型カラムの方が4〜5倍低い値となった。これらの結果は、新しく試作した一体型カラムが、同じ装置を用いた場合従来品よりも10倍程度迅速な分析を可能にすることを示している。 ゲルの側面を補強するより簡便な方法を開発すること、疎水化処理の高度化、高分子量溶質の分離に適するカラムを設計することが、次年度への課題である。
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Research Products
(1 results)