1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555496
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Section | 試験 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻川 茂男 東京大学, 工学系研究科, 教授 (20011166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 陸雄 (株)日本パーカライジング, 総合技術研究所・鋼板表面処理研究センター, センター長
篠原 正 東京大学, 工学系研究所, 助教授 (70187376)
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Keywords | ゾルゲル法 / 半導体電極 / 酸化物半導体 / 酸化チタン / カソード防食 / 非犠牲カソード防食 |
Research Abstract |
ゾルゲル法TiO_2被覆の最適条件は基板ごとにことなる。ステンレス鋼を用いて、基板元素の影響について調べた。基板元素のTiO_2膜への侵入は、昇温仮定における50〜100℃の湿潤ゲル皮膜中への基板の溶解、および200〜400℃の乾燥ゲル皮膜中の基板の拡散によるものと考えられる。304鋼基板を硝酸水溶液中で予め不動態化処理し、基板表面にCrを濃縮することで、その両者とも防ぐことが可能であると考えられる。この場合、最適焼成温度の400℃で焼成した304鋼上のTiO_2は、ITO上のそれにほぼ等しい高い光効果を示した。 ゾルゲル法コーティングしたステンレス鋼の浸漬電位は光照射を行った後も比較的卑な値を保つこと(光照射の記憶維持効果)を見い出したが、これは夜間-光照射がない場合-においても防食効果を持続できる可能性を示している。ステンレス鋼の主要成分であるFe,Cr,NiをドープしたTiO_2をITO(Indium Tin Oxide)ガラス基板上に被覆し、それら元素のTiO_2膜中への侵入の影響を調べた。その結果、1)基板直上にFeがドープされた層があり、2)その上のTiO_2膜にはそれら元素がドープされていない、場合には記憶維持効果が発現すること、および、3)この効果はNi,Crでは見られないこと、を確かめた。 従来より、アルカリ環境下の鉄については、あらかじめ高温酸化皮膜(α-Fe_2O_3)を作製した後にゾルゲル法TiO_2被覆を行うことによって、光電位が卑化することを確認している。そこで、電気化学的手法(水溶液中定電位保持)あるいはアルカリ性水溶液中加熱処理によってFe_2O_4やγ-Fe_2O_3を形成させ、これを熱処理によってα-Fe_2O_3に変態させた後にTiO_2被覆を試みた。高温酸化法(600℃以上)より低い520℃での熱処理で光電位が卑化した。
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