1995 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー位相変調変位計を利用した高温超微小硬度計の開発
Project/Area Number |
07555497
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 敬愛 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70013208)
|
Keywords | 超微小硬度計 / 高温 / レーザー位相変調 |
Research Abstract |
超微小硬度計は,微小領域の硬度や力学特性を直接測定する唯一の手段として,材料開発,製品管理への応用が考えられている.しかし,高温での測定が困難であるため,この計測技術の普及が遅れているのが現状である.既存の技術では,圧子の微小変位を静電容量変位計などを用いて間接的に測定するため,熱膨張の影響が誤差を与えてしまう.この問題を最新のレーザー計測技術を応用して,圧子と試料表面の相対変位を直接測定することによって解決し,高温での精密測定技術を確立することが目的である. 本年度はレーザー位相変調変位計の設計を行い,日本科学エンジニアリングに製作を依頼し,一応の完成を見た。目下,室温において装置の動作状況などの検査・確認を行っている.問題が無ければ昇温試験を行い,初期のとおり,温度上昇に伴う熱膨張の影響が変位測定に対して1nm程度の範囲に収まるか否かを調べる予定である.位相変調光の反射鏡を設けた圧子は,変位計の光路を考慮した特別な構造に設計した. レーザー位相変調変位計は,当初の目標であった分解能1nmを達成できる見込みである.この動作が高温まで保証されれば,現在国内で発表されている最も分解能の高い室温測定用装置と同程度の精度で高温まで測定が可能となる.圧子が試料に侵入する深さは,セラミックスの場合でも,荷重分解能に相当する1mgfで約5nmであるので,測定精度としては十分である.特別設計のダイヤモンド圧子は,変位計の構成上重要な部分であり,その構造は高温における変位測定の精度を決める最も重要な因子の一つである.現時点では開発途上段階にあるとはいえ,今後改良を加えるとすれば,ほぼこの部分に絞られると考えられる。
|