1996 Fiscal Year Annual Research Report
超音波放電分散による表面改質層の構造制御に関する研究
Project/Area Number |
07555531
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
恒川 好樹 豊田工業大学, 工学部, 教授 (50148350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 和彦 トヨタ自動車株式会社, 第1材料技術部, 担当員
宮本 泰介 トヨタ自動車株式会社, 第1材料技術部, 主担当員
毛利 尚武 豊田工業大学, 工学部, 教授 (90126186)
奥宮 正洋 豊田工業大学, 工学部, 講師 (20177182)
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Keywords | 複合改質層 / 超音波振動 / 放電融合 / 表面硬化プロセス / TiC析出物 / TiAlマトリックス / 傾斜組成 / 表面粗さ |
Research Abstract |
放電加工における表面欠陥の発生,長い加工時間などの欠点を克服して,摺動用Al合金に対する表面硬化層を形成するため,表面改質層の合金化に必要な元素を含む圧粉体電極と加工液を用い,基材あるいは加工液に超音波を伝播させて徹底的な放電分散を行って,Al合金基材表面に意図する元素の移行・合金化を短時間に実現する.TiC/TiAl生成複合改質層の構造制御ことを目的として研究を遂行し,以下の研究成果を得た. (1)超音波振動は電極よりも基材に付加する方が効果的であり,28kHzよりも振幅が小さくとも100kHzの方が改質層の厚保膜化には効果的である. (2)超音波振動の適用により強制的に放電を分散し,放電点近傍の加工液のの蒸発による気化爆発圧力を低減した結果,移行元素を含む表面溶融層がより多く基材上に残留するため,改質層の厚膜化と表面平滑化が実現される. (3)超音波振動によって炭化物生成および金属間化合物の生成反応を促進させ,高精度表面構造制御に利用可能である. (4)基材表面に移行する有効元素量を増し,且つ放電集中を防止するため,改質層の表面粗さが改善される.したがって,プロセス時間を短縮することができる. (5)本プロセスによって形成される表面改質層は,強化相が表面から傾斜組成化しており,複合改質層内の生成強化相の体積率を制御できる. (6)改質層の表面粗さの改善には超音波振動を付加して,仕上げ放電条件で表面加工することが有効である.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 恒川好樹: "アルミニウム合金の表面硬化プロセス" 日本金属学会報. 34・6. 730-735 (1995)
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[Publications] Y.Tsunekawa et al: "Surface Modification of Aluminum Matrix Composites by Electrical Discharge Alloying." Mater.Sci.Forum. 217-222. 1661-1666 (1996)
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[Publications] Y.Tsunekawa et al: "Formation of Composite Layers Containing TiC Precipitates by Electrical Discharge Alloying." Mater.Trans.JIM. 38. (1997)
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[Publications] 齋藤長男・恒川好樹: "アルミニウム合金の表面厚膜硬化技術" 日刊工業新聞社, 269(194-205) (1995)