1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555534
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
武田 要一 岩手大学, 工学部, 助教授 (30125603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 勉功 岩手大学, 工学部, 助手 (70220259)
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Keywords | 製鋼煙灰 / 亜鉛の揮発製錬 / 塩化揮発 / 廃棄物処理 / 還元揮発 / クリンカー / 脱銅 / 脱錫 |
Research Abstract |
現在の製鋼煙灰処理は主に電気炉製鋼煙灰から亜鉛を回収する目的のため処理されている。今後多量鉄系スクラップの発生が見込まれ、この鉄系スクラップを再生するため電気炉以外の種々の溶解プロセスが開発中であり、そこでは亜鉛のみならず、鋼の材質に悪影響をもたらす銅、錫の優先揮発除去分離が検討されている。この新しい鉄スクラップ溶解プロセスから発生するダストには、これまで以上の銅、錫が入ってくる。錫は亜鉛地金の材質にも悪影響を及ぼすので、ダストから亜鉛を回収する行程においても除去する必要がある。今年度は、主に塩化揮発により製鋼ダストから銅と錫を分離する条件を把握する実験を行った。塩化剤の選択は、扱いやすくまた実際の工業プロセスで利用されている塩化カルシウムを用た。熱力学的な検討から、銅、錫いずれの場合も雰囲気の酸素分圧を調整する必要が明らかである。実験結果を要約すると次のようである。 1.銅は1000°C以上の温度で、酸化雰囲気下で塩化揮発する。通常製鋼煙灰にはかなり多量の炭剤が入っており、銅の塩化揮発率を上げるには、この炭素を酸化除去する必要がある。また多量に含まれる亜鉛も酸化雰囲気下で幾分塩化揮発し、このため塩化剤の消費が増す。 2.錫の塩化揮発も、適切に酸素分圧を制御すると1000°C以上で進む。最もよい揮発率が得られるのは、CO_2/COが3程度の還元雰囲気下において塩化揮発させた場合である。製鋼煙灰中に炭素が入っているので、これにより窒素気流下でも試料が還元されるので、錫の塩化揮発は進む。 3.製鋼煙灰には、銅、錫の他、亜鉛はもちろん、鉛、アルカリ金属等数多くの成分が含まれており、これらの元素を単一のプロセスで分離するのは極めて困難と考えられる。鉛とアルカリ金属は比較的簡単に塩化揮発する。
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Research Products
(2 results)