1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555534
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Research Institution | IWATE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
武田 要一 岩手大学, 工学部, 助教授 (30125603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 勉功 岩手大学, 工学部, 助手 (70220259)
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Keywords | 製鋼煙灰 / 塩化揮発 / 還元揮発 / クリンカー / 磁力選鉱 / 製鉄原料 / 金属のリサイクル / 廃棄物処理 |
Research Abstract |
昨年までの基礎的な揮発実験で、鉄鋼ダスト中に含まれる鉄源として有害な元素の揮発除去が技術的に可能であることが示された。この揮発除去における問題は、単一の揮発のための加熱で全ての種類の不純物元素を除去することが難しく、還元雰囲気で除去できる元素と酸化雰囲気で除去し易い元素があり、複数回の揮発焙焼を必要とすることである。本年度は、有害不純物を揮発分離した後に残る鉄を主体とした残渣が鉄源として利用できるか調べるため、鉄残渣の性状調査と、この鉄残渣中の鉄品位を高める実験を行った。 還元揮発実験で得られた鉄残渣中の鉄の80%程度は金属鉄に還元されていた。ダスト中のシリカ、カルシア等の脈石成分と結びついた酸化鉄はかなり強還元しなしと金属鉄まで還元しない。鉄残渣中の鉄品位は、実験に供したダズトの種類にも依存するが、40%から60%程度であり、せいぜい鉄鉱石の品位程度である。これは溶鉱炉を用いた製銑原料として十分利用可のであるが、直接製鋼原料として利用するには幾分品位が低いように思われる。この鉄残渣を粉砕して鉄分と脈石成分を磁力選鉱により分離することが可能である。磁力選鉱により鉄の濃縮を行った結果、鉄品位を70%ないし85%に濃縮することが出来た。その際の鉄の回収率は90%程度であった。この選鉱プロセスの難点は、粉砕にかなりのエネルギー、労力を要することである。還元された鉄を完全に粉砕することは難しいが,粉砕時間を長くとると脈石成分は脆弱なため、鉄分からかなりよく分離する。この磁力選鉱を経て得られた鉄分の市場価値は、せいぜい低品位鉄スクラップ程度と考えられる。鉄鋼ダストの揮発処理、及び鉄残渣の磁力選鉱を行うことにより、ダスト中の鉄を含む金属元素の多くを再利用することは技術的に可能であるが、その分離方法が幾分複雑で経済的に問題が残る。
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Research Products
(1 results)