1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555536
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Section | 試験 |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八木 順一郎 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (20006050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
埜上 洋 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (50241584)
秋山 友宏 東北大学, 素材工学研究所, 講師 (50175808)
高橋 礼二郎 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (30006051)
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Keywords | 鉄スクラップ / 浸炭速度 / CO-CO_2混合ガス / 融点降下 / 解離吸着 / 高温顕微鏡観察 |
Research Abstract |
1.CO-CO_2雰囲気における固体鉄への浸炭速度 純鉄板を試料とし,温度973K-1423K,CO濃度100%-70%の条件下で,熱重量天秤により,浸炭過程中の重量変化を連続的に測定した。CO雰囲気中において,970K以下ではほとんど浸炭せず,1300K付近では浸炭速度は最大となった。1273KのCO-CO_2混合ガス中において,CO_210%以上ではほとんど反応しなかった。COガスの解離吸着および吸着酸素とCOガスとの反応の2つの素過程を考慮して導出した浸炭速度式により,測定結果をよく説明することができ,速度定数の温度依存性を表す式を求めた。 2.浸炭鉄の炭素濃度分布ならびに溶融温度の測定 CO ガスから浸炭された鉄の炭素濃度分布と溶融温度を機器分析と高温顕微鏡法によって測定した。その結果,浸炭鉄中の炭素の存在形態は主にCarbideとCarbonであることがわかった。また,浸炭過程の炭素は鉄表面で濃度が高い分布となっていた。表面溶融はFe-C相図上の液相線よりも低く,約1640Kで始まった。これはFeOの溶融温度に相当し,鉄表面の炭素濃度に依存せずに一定であった。鉄酸化物はCOガスから解離した酸素と個体鉄との反応によって生成したものであると推定される。浸炭鉄の溶融温度は鉄表面の炭素濃度に依存しており,この濃度依存性を実験値に基づき定式化した。 3.本年度の研究で得られた固体鉄への浸炭速度,浸炭が鉄の溶融に及ぼす影響,ならびに昨年報告した酸化鉄屑とコ-クス粉から作成したブリケットの還元速度を使用して,次年度は移動層型溶銑製造プロセスの数学的モデルを開発し,プロセスの操業特性やエネルギー効率,環境保全への寄与度を検討する。
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