1995 Fiscal Year Annual Research Report
オルガノゲルを用いた機能性材料設計に関する基礎的研究
Project/Area Number |
07555542
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今野 幹男 東北大学, 工学部, 教授 (40125547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 友章 東北大学, 工学部, 助手 (70261584)
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Keywords | 高分子電解質ゲル / 体積相転移 / オルガノゲル / 電荷移動反応 / 電荷供与体 / 電荷受容体 |
Research Abstract |
高分子ゲルは、その体積相転移現象の発見以来、新規な機能性材料への応用が期待されている。特に、ゲル網目に荷電を有する導電性オルガノゲルが有機溶媒中で電場印可により体積相転移を生じることが報告されて以来、高効率のスイッチ機能性材料の開発の可能性が指摘された。しかしながら、現在までオルガノゲルの報告例は少なく、本研究では新たなオルガノゲルを作成し、その特性を明確にすることを目的とした。 本研究者がこれまでに導出した体積相転移に対する熱力学モデルに基づき、大きな体積相転移を誘起させるための条件について探索した。その結果より、溶媒とゲルを構成する高分子骨格間の親和性を低下させ、ゲルに導入する荷電基の数を大きく変化させることが、重要な条件となることを示した。このような観点から、ゲルへの荷電基の導入方としては電荷移動反応を適用した。溶媒としては極性溶媒であるN,N-ジメチルホルムアミドを、またゲルとしてはN,N-ジメチルホルムアミド-4-ビニルベンジルアミンポリマー架橋体を用いた。このゲルは骨格にアミノ基を有し、低分子電荷受容体を投入すると、電荷供与体として働き、電荷移動反応を生じる。電荷受容体として、テトラシアノエチレン、7,7,8,8-テトラシアノキシメタンとテトラクロロ-1,4-ベンゾキノンを用い、溶媒中への添加濃度を変えることにより体積相転移が生じることを示した。また熱力学モデルより予想したように、その相転移幅が100倍にも及び、これまでにない大きな相転移を示すことを明らかにした。さらにこのゲルに電極間で電気化学反応を施すことにより、可逆的な体積相転移を生じ、スイッチ機能性を有することを実証した。
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