1996 Fiscal Year Annual Research Report
ペクチンオリゴ糖連続生産のための回転環状反応クロマト装置の開発
Project/Area Number |
07555548
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
米本 年邦 東北大学, 工学部, 教授 (40125688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫛引 正剛 青森県産業技術開発センター, 技師
北川 明生 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 講師 (90270199)
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Keywords | 反応クロマト / 固定化酵素 / オリゴ糖 / ペクチン |
Research Abstract |
ペクチンオリゴ糖連続生産のための回転環状反応クロマト装置の開発には、クロマト装置の分離特性に関する研究と共に、反応クロマトに充填する固定化酵素反応に関する知見が必要となる。本研究では、多糖の酵素加水分解反応速度論を明らかにするために、α-1, 6グリコシド結合を加水分解するエンド型酵素デキストラナーゼを取り上げ、イソマルトヘキサオース(6糖)の加水分解反応実験を行った。このエンド型酵素は、6糖を3糖、あるいは4糖と2糖に分解し、4糖をさらに2糖に分解する。まず、遊離酵素を用いた均相酵素反応を種々の条件下で行い、多糖の加水分解位置の確率を考慮した速度論モデルを構築し、均相反応に関する速度パラメータを推算した。次に、アガロースビーズN-サクシルイミド誘導体であるAffi-Prep10を担体とした固定化酵素反応を種々の条件下で行った。そして、担体内の各糖の拡散がFickの第一法則に従うと仮定することにより、液相および担体相に関する物質収支式を導出し、固定化酵素反応に関する速度論モデルを構築した。このモデルにより、加水分解速度に及ぼす基質の初期濃度、固定化担体量の影響を良好に表現することができ、固定化反応に関する速度パラメータ、ならびに担体内の有効拡散係数を推算することができた。このモデルは、6糖以上の重合度の糖に関しても適用可能であると考えられる。現在、この固定化酵素を反応クロマト装置に用いるための準備段階として、カラム型バイオリアクターに充填し連続的な酵素加水分解反応の検討を試みている。以上の研究結果については現在学会発表の準備中である。
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