1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555549
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宝沢 光紀 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (70005338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 正秀 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (10261504)
庄野 厚 東京理科大学, 工学部, 助手 (20235716)
塚田 隆夫 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (10171969)
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Keywords | 複合液膜 / 脱塩プロセス / 乳化液膜 / バルク液膜 / 中空糸 / 隔膜 / 物質移動係数 |
Research Abstract |
本研究の目的は、経済的かつ効率的な脱塩法として、機能性液体を用いた複合液膜による脱塩プロセスの開発にある。今年度は、バルク液膜法を用いた透過実験により装置設計のための基礎データを獲得すると共に、実用的な脱塩装置として2種類の方法を考案し検討を行った。 1.バルク液膜を用いた透過実験による基礎データの蓄積 液膜法による脱塩操作時のアニオン及びカチオンの透過に影響を及ぼす因子として、抽出剤濃度(Naイオン用:D2EHPA、Clイオン用:TOMAC)、逆抽出液濃度(Naイオン用:硫酸水溶液、Clイオン用:水酸化ナトリウム水溶液)及び原料相(NaCl水溶液)の塩濃度の影響について実験的検討を行った。被抽出液の各イオン濃度の経時変化から算出される見掛けの物質移動係数を用いて評価した結果、液膜中でイオンは滞留することなく抽出・逆抽出されること、またNaイオン(またはClイオン)のみかけの速度係数に影響を及ぼす因子は、Clイオン(またはNaイオン)の速度係数にも影響を及ぼすことがわかった。 2.実用的な脱塩装置の検討 2.1中空糸を用いた乳化液膜法 原料相中に浸した二本の疎水性多孔質中空糸支持体の内部に液膜相及び逆抽出相からなるW/Oエマルションを流す方法を検討した。結果として、中空糸の外側表面にW/Oエマルション相と原料相との界面を保つことが難しいことがわかり、両相の圧力バランスを保つための安定操作条件を今後検討する必要がある。また、バルク液膜と同様の条件で脱塩を試みたが、原料相からのNaClの透過はほとんどおこらず、またClイオン用のW/Oエマルション中への水の透過が観察され、エマルションの調整条件を含め今後詳細な検討が必要であることがわかった。 2.2多孔質の隔膜を用いた乳化液膜法 原料相の入ったセルを隔壁(親水性多孔質膜)により分割し、それぞれに各イオン透過用W/Oエマルションを分散させる方法を検討した。NaCl水溶液にClイオン透過用W/Oエマルションを分散させた場合の安定条件について調べ、ほぼ最適安定条件を決定することができた。また、この際の原料相中のClイオンの抽出率を測定したところ、Na用W/Oエマルションを用いていない単独系にもかかわらず、ClイオンのW/Oエマルション相への抽出が行われていることがわかった。
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